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大阪産業創造館(大阪市中央区)で2014年5月30日、日本企業と、大学を卒業した韓国人をマッチングする合同企業説明会が開催される。外国人新卒を採用する日本企業は増えているが、参加学生を韓国人に特化した説明会は珍しい。

主催するホスピタブル社の松清一平社長は、参加企業の期待について、こう説明する。

「やはり語学力。ガッツのある人材を望んでいて、コミュニケーション能力も高い。日本人のような大企業志向はあまりなく、中小企業への積極志向がある点も重要です」
採用ニーズ高まる「アジア圏の新卒者」

人材コンサルティングのディスコが2013年、全国の約8500社を対象に行った調査では、2014年度に「新卒で外国人留学生を採用した」企業は48.4%と半数近く、従業員1000人以上の大手企業では69.0%にのぼる。

「採用したい留学生の出身国」としては、中国(40.9%)がトップ。次いでベトナムやタイ(ともに24.2%)が続くが、インドネシア(18.2%)や台湾(17.4%)と並んで、韓国(15.9%)も人気がある。

アジア進出を視野に入れる企業からは、現地の言語と商習慣、文化を理解する有能な人材を採用したいニーズが高まっている。

しかし、学生の都市部志向や大手志向で、地方の中小企業は採用活動に苦戦を強いられることも多い。そうした企業が、日本語のできる外国人に目を向けるのは、不思議なことではない。

新卒韓国人は就職難という事情もある。日経ビジネスに連載しているジャーナリスト・趙章恩氏のコラムによると、韓国の文科省(教育科学技術部)の2011年調査では、非正規労働を含めても大学卒業生の58.6%しか就職できていない。7割以上の若者が「海外就職に興味がある」と答えた調査もあるという。

希望滞在年数は「永年(帰りたくない)」

韓国人新卒を対象とした合同企業説明会は、北九州市に次いで2回目。新卒・既卒の約50人が参加予定だ。参加企業も東海・北陸から沖縄まで幅広い。

前回は51人の参加者中、15人が採用に至った。採用企業はウェディング会社やビジネスホテルなどのサービス業から、IT業界、メーカーまで、業種・職種は多岐にわたる。

ホスピタブル社は、韓国語が話せる社労士による研修・メンタルケアなど内定後のケアを準備しており、ビザの更新などもサポートする。

「(採用が決定した韓国人は)ロジカルシンキング能力の高さに加え、日本国内でのアルバイト経験などもある。単なる語学力ではなく、仕事に用いることができるレベルの日本語ができる点に評価が集まりました」

参加者の7割以上が日本語検定1級レベルで、半数はTOEIC800点以上のスコアを備える。男性は2年の兵役済みで、小学校~高校までの学習時間の総計は、ゆとり世代の日本人の1.5倍。希望滞在年数も女性で最も多い回答が「永年(帰りたくない)」だった。

「反日感情」は存在しない?

そもそも、こうした日本語が堪能な新卒韓国人には、「反日感情」は存在しないと松清氏は説明する。周囲の親、親戚や先生も日本語が堪能であったり、日本語教育に長くお金や時間をかけてきた人が多い。環境的に「日本好き」になる要素が多く、現にいまの若者にも多くの日本文化が支持されているという。

「国別外国人来訪者・世界1位、日本酒消費・世界2位、第二外国語としての日本語人気・1位といった記録が延々と保持されています。若者が好きなものも、嵐、エヴァンゲリオン、モスバーガーなどなど、枚挙にいとまがありません」

2013年は約231万人の韓国人が日本を訪れている。前年同期比121.2%と大幅に増えた。冷え込んだ日韓関係ばかりが取り上げられがちだが、訪日外国人の約2割は韓国人なのだ。

韓国の学歴社会は、日本より厳しいと言われる。そんな新卒韓国人が日本での就活に目を向けるようになるとすれば、日本人の新卒生もうかうかしてはいられない?

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