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 新聞やテレビをはじめとするメディアやジャーナリストには「権力の監視」機能が期待されている。これは政府・行政を常にチェックすることで不正や腐敗を防ぐことを目的としている。フリーランスとして活躍するジャーナリストたちも同様に、福島第1原発事故で政府や東電の記者会見に参加するなど、権力監視の担い手として活躍してきた。しかし、権力の監視を実践するため、フリージャーナリストが取材をする際に"高い壁"として立ちはだかる行政機関がある。それが「警察」だ。実際に、フリージャーナリストの寺澤有氏は警察庁会見の取材を求めて提訴したが、2010年3月に東京地裁によって却下の決定を下されている。

 このような現状に対し、フリージャーナリストはどのようにして警察権力を監視することができるのか。

 弁護士を中心に構成されるジャーナリスト団体NPJ(News for the People in Japan)の編集長で弁護士の日隅一雄氏は2011年8月10日、公開討論会・記者会見で政府や警察などの行政機関が保有する文書などの情報の開示を請求できる「情報公開請求権」の制度を利用することによって「警察権力の監視」の一つの手段として提案した。

 日隅氏が参加したのは自由報道協会など4団体の共催による公開討論会・記者会見。「いまメディアと市民はどう動くか」というテーマで東京電力の会見など福島原発事故発生以降明らかになってきたマスメディアの問題点を踏まえながら、市民やフリージャーナリストの今後の動きについて議論した。

■警察権力を監視する3つの手段

 日隅氏は元産経新聞の記者で、また弁護士の経験を活かし法的に整備されている制度を積極的に利用。原発問題に関して公開質問状を政府に送付するなど精力的に取材活動を行い、メディアが報道していない部分を独自に伝えてきた。このような経験を踏まえ、日隅氏はフリージャーナリストによる警察権力の監視の方法について

「情報公開(請求の制度)が一つの手段だと思う。情報公開は警察だけではなくていろいろなことに使えると思う」

と語った。同氏によると、情報公開請求の制度を利用しジャーナリストとしての実績を積み上げていくことで今度は「タレコミ」がくるようになるという。

 また今回の公開討論会・記者会見には、元北海道新聞の記者で2003年に北海道警の裏金問題の取材班デスクを務めた高田昌幸氏も参加。警察権力の監視の手段について「もし記者会見の開放を考えた場合、警察(の記者会見)は最後まで開かないだろう」と前置きをした上で

「(警察の)記者室はどこの都道府県でも警察署の中にある。フリーの人が難しいのは建物の中にあるから。入り口で完全に通せんぼされる。記者室へ行く権利が仮に認められたら一つの突破口になると思う」

と語る。続けて、犯罪などの事件について取材する際には

「今なら例えば、弁護士に取材をしても相当なことが分かるケースが多い」

とし、警察だけが情報源になるとは限らないと、取材方法について言及した。

 今回提示された3つの手段はこれまで困難であった警察権力監視の一助となるのではないか。マスメディアだけではなく、フリージャーナリストも警察権力の監視を担うことによって、裏金問題、冤罪事件をはじめとする警察の不正・腐敗の防止が一層進むことが望まれる。特に冤罪事件については、市民に直接的な被害が及ぶ問題であるがゆえに、フリージャーナリストによる警察権力の監視を期待したい。

(松本圭司)

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「警察権力の監視のためにフリージャーナリストは何ができるのか?」質問から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv59551435?po=news&ref=news#1:46:08

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