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福島県双葉町は5月7日、公式ホームページに「小学館への抗議文」と題する文書を掲載した。

抗議文の全文は次の通り。

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小学館への抗議文

平成26年4月28日に貴社発行「スピリッツ」の「美味しんぼ」第604話において、前双葉町長の発言を引用する形で、福島県において原因不明の鼻血等の症状がある人が大勢いると受け取られる表現がありました。

双葉町は、福島第一原子力発電所の所在町であり、事故直後から全町避難を強いられておりますが、現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はありません。

第604話の発行により、町役場に対して、県外の方から、福島県産の農産物は買えない、福島県には住めない、福島方面への旅行は中止したいなどの電話が寄せられており、復興を進める福島県全体にとって許しがたい風評被害を生じさせているほか、双葉町民のみならず福島県民への差別を助長させることになると強く危惧しております。

双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解のみを掲載した、今般の小学館の対応
について、町として厳重に抗議します。

平成26年5月7日
福島県双葉町

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小学館は、発行する「ビッグコミックスピリッツ」22・23合併号に「美味しんぼ」(原作者:雁屋哲)の「福島の真実篇」を掲載。その中で東京電力福島第1原発など福島県を取材のため訪れた主人公・山岡士郎らが鼻血を出す描写があり、これが風評被害を助長するのではないかとの指摘が相次いだ。

批判を受けた原作者・雁屋氏は公式ブログで自身の見解を表明。「私は鼻血について書く時に、当然ある程度の反発は折り込み済みだったが、ここまで騒ぎになるとは思わなかった」とした上で、「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか」とし、次号、さらにその次の号で「もっとはっきりとしたことを言っているので、鼻血ごときで騒いでいる人たちは、発狂するかも知れない」と予告している。

なお、小学館の見解としては、この「美味しんぼ」のエピソードについて、風評被害を助長する意図はないと説明。5月19日発売の25号および同誌の公式ホームページに掲載する特集記事で、識者の見解や批判を掲載すると発表している。
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