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外食産業の人手不足が止まらない。日本経済新聞がまとめた「流通・外食企業の採用計画調査」によると、2015年春に外食分野が新卒社員の採用計画にあげている人数は2393人で、前年度比41.8%増と大幅なプラスを示している。

中でも、最も人数が多いのは「すき家」を運営するゼンショーグループだ。その数は約400人で、前年度比で28.6%増やす計画だ。

28店舗は「アルバイト店員の不足」と認める

こうした計画は、人手不足が現実的な経営危機となったことを示している。事実「すき家」は3月中旬以降、「パワーアップリニューアル」と称して計184店舗を一時閉店している。

表向きの理由は、「公募増資によって調達した資金の一部を活用し、店舗の全面改装や一部改装を開始します」というもので、人材不足については一切触れられていなかった。

しかし5月14日の決算記者会見では、小川賢太郎会長兼社長が28店舗について「アルバイト店員の不足が原因で閉店している」と認めた。ただし残り156店舗については「リニューアル工事によるもの」という姿勢を崩していない。

さらに同会見では、小川氏が「日本人がだんだん3Kをやりたがらない」という記事を引き合いに出して現下の労働市場を論じ、これを報じた朝日新聞の記事も大きな波紋を呼んだ。

ゼンショーは15日に、小川氏のこの発言は本人の「所感を述べたものではない」とし、朝日新聞に対して「一部事実と異なる報道があったことは大変遺憾です」と抗議した。

しかし、読者の反応は冷たかった。ゼンショーの抗議を報じたキャリコネの記事に対して、ニコニコニュースでは実態が改善されていないことへの批判が強い。

「『3Kのゼンショー』が何言っても無駄。すき家が3Kなんて、朝日の報道前から既に定着したイメージだ」
「引き合いに出してるんだからそう思ってるんだろ?言葉遊びしてる暇あったらさっさと店舗閉店か待遇改善したら?」
すき家店員の悲痛「1人の店長が3店舗を掛け持ち」

ネット上ではすき家の「非情経営」に対して、アルバイトたちが「現代のストライキ」を起こしているのだという声もある。

すき家を狙った強盗が多発した際、ゼンショーには警察から再三にわたる改善命令が出されている。しかし同社は、深夜の1人営業(ワンオペ)をほとんど改善していなかった。ある業界紙記者は、NEWSポストセブンの記事でこうコメントしている。

「強盗の被害額よりも、ワンオペをやめて人を増やすことでかかる経費の方が大きい。だからワンオペは続けるというのが、小川社長の考え方のようです」

キャリコネの口コミにも、「防犯の知識が皆無で、かなりの頻度で強盗が入ります」という20代前半正社員からの悲痛な声が書き込まれている。さらに労働環境についても、厳しい状況を示す書き込みが多い。

「残業という概念が狂っている。休日出勤は当たり前で、休みが週0というのも多々ありました。改善される可能性は一切ありません」(20代男性)
「1人の店長が3店舗を掛け持ちするといった異常事態が普通である風潮」(20代男性)
「店舗の業務はほとんどアルバイト。正社員は複数の店舗を掛け持ちして、ほとんど来ない店舗も珍しくない」(20代男性)

安全が確保されず、さらに厳しい労働を強いられるとすれば、景況の変化によって労働者が離れていくのは自明だ。

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