“巨大なダンゴ虫”のような見た目のダイオウグソクムシ、人気の秘密は? クランクイン!
クランクイン!

 昨年あたりからインターネットで急速に人気になった深海生物「ダイオウグソクムシ」。巨大なダンゴムシのような見た目をしており、決して人気の出そうなルックスではないのだが、しかしなぜか大人気なのである。今回、ダイオウグソクムシの人気の秘密を追ってみた。

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 今年4月末に幕張メッセで開催され、10万人以上を動員した「ニコニコ超会議3」には、ダイオウグソクムシブースが設置。また、今年5月31日より公開されたパニックホラー映画『ザ・ベイ』の初日には、「オオグソクムシとタッチング付記念撮影会」なるイベントも行われた。

 ムーブメントはとどまることを知らず、ダイオウグソクムシを模したぬいぐるみやiPhoneケースまで発売されるという人気ぶりだ。いったいダイオウグソクムシの何が人を惹きつけるのか。

 2007年9月からダイオウグソクムシの展示を始めた新江ノ島水族館の根本卓氏(展示飼育部・魚類チーム)は、「人気の理由は、あの大きさにあるのでは」と語る。

 ダイオウグソクムシは、陸上に生息するダンゴムシやワラジムシ、フナムシなどと同じ等脚目の生物だ。ただし、ただのダンゴムシではない。成長すると約45センチ、体重1.7キロほどの大きさに成長する世界最大のダンゴムシなのだ。この大きさはちょっとした猫や小型犬並み。“見た目はダンゴムシなのにものすごく大きい”というギャップが話題を呼び、口コミで人気が広がっていった。

 「世界で一番大きなダンゴムシ、というキャッチコピーで2007年より展示を開始し、すぐに話題になりました。それ以来、多くの方にご覧いただいている人気動物です」(根本氏)

 そんなダイオウグソクムシの人気を不動のものにしたのは、昨年夏のニコニコ生放送だろう。ダイオウグソクムシが食事をする様子が合計約190時間にわたって生中継され、来場者数は260万人にも及んだ。

 こうしたダイオウグソクムシに関するエピソードの中で特に話題を呼んだのは、個体「NO.1」(通称「1号たん」)だ。「1号たん」は2009年に餌を食べたのを最後に絶食を続け、2014年2月14日に死亡。実に1869日(5年と43日)という絶食日数を記録した。

 絶食しても生き続けられた秘密を探るために「1号たん」を解剖してみると、胃の内部には謎の淡褐色の液体で満たされていたという。直接の死因は解明されていないが、「餓死ではない」と結論づけられており、深海生物ならではの謎めいた生態が大きな話題になった。

 ダイオウグソクムシのブレイクでにわかに注目を集め始めた深海生物。今後、ダイオウグソクムシに続く人気生物は登場するのだろうか。

 「今後人気が出そうなイチオシの生き物はワニトカゲギス。“ザ・深海魚”と言えるような生物です。その他、かわいい見た目のメンダコやギンザメ、目が綺麗で藤色の体をしたフジクジラ、お腹が光るホウライエソやムネエソ、1メートルを超える大きさのミズウオなどに注目してほしいですね」(根本氏)

 これだけ科学が発展した現代でも、未だ謎に包まれた深海という世界。そこで生きる深海生物たちに今、スポットライトが当たろうとしている。ダイオウグソクムシに続くスターは誕生するのだろうか。(取材・文:山田井ユウキ)

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