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人間の場合、生える歯の本数は子どもで20本、成人は親知らずを除いて28本と決まっているもの。ところが最近、インドの病院であごの異常を訴えて手術を受けた17歳の男性は、口の中に232本もの小さな歯が余計にできていたそうだ。手術を終え、歯の数が普通の人と同じ28本になった男性にとってはとんだ一大事だっただろうが、手術成功の喜びもあってか、あまりの数に驚いた病院側は1人から抜歯した本数の記録として、ギネス・ワールド・レコーズへの申請を決めたという。

インド紙ムンバイ・ミラーやニュースサイトのインディア・タイムズなどによると、232本の歯が生えていたのは、インド中部のマハーラーシュトラ州アムラバティ近郊の村に暮らす17歳の男性。彼の父親の話では、男性に異変が起きたのは約1年半前、右側の下あごあたりが膨らみだしたため、家族が心配して医者に見せたものの異状の原因は掴めず、経済的事情もあってそのまま放置していたようだ。しかし1か月ほど前から、彼が突然痛みを訴え始めたそうで、「がんかもしれない」と心配した父親が意を決し、7月中旬頃に大きな病院があるムンバイまで彼を連れて来たという。

幸い、州政府から医療費全額の助成も認められ、ムンバイの公立病院で治療を受ける運びとなった男性。診察の結果、彼の右下あごには複合性歯牙腫と呼ばれる良性腫瘍ができていると分かった。彼の場合、この腫瘍によって右下の第二大臼歯の周りに「発育異常」を起こした無数の歯が出現。彼の手術を行った担当医は、「上あごに影響を及ぼすというのは知られていた」と話していて、彼のように下あごにこの腫瘍が出来るのは珍しいそうで、さらに同様の症状で「25本の歯が抜かれた」前例があったのは知っていたものの、彼ほどの症状は、30年の経歴を持つ担当医でも「初めて」と驚いたそうだ。

そして、病院側は男性の手術を7月21日に実施。問題の第二大臼歯は、いくつもの小さな「独立した歯」で囲まれるように「縦3.5センチ横2センチ」ほどの大きさになっていたという。そこで、4人の医者がのみと木槌を使って小さな歯を1つ1つ除去し、見つかった親知らずの治療も行うなど、約7時間かけて手術を完了。その後、取り出した歯の数が232本に達したと分かり、病院の医者や医学生らが世界的な文献をチェックしたところ、過去に1人の人間からこれだけの歯を抜いたケースは皆無と確認したという。

その事実に「私たちは、今回のケースが世界記録だと思っている」と担当医が話すように、その後病院側は男性から抜いた歯の本数を「ギネス・ワールド・レコーズに申請する」と決定。手術後、男性は「奇跡的にあごの骨も問題なく」順調に回復しつつあるそうで、数日中にも退院できる見込みとのことだ。

1年半もの長い間、辛い時間を過ごしてきたであろう男性も、問題ない生活を送れるようになった上に、世界記録保持者になれるとあれば、さぞ今は幸せな気分で満たされているに違いない。
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