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ブラック企業大賞実行委員会は9月2日、「第3回ブラック企業大賞」のノミネート企業に、牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーと、エステ大手「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティの2社を追加した。

特に「たかの友梨」については、社長自ら労働法を軽視する失言が録音され、朝日新聞デジタルにさらされてしまった。これにはネットユーザーから「ブラック企業界の新星現る」など揶揄されていたが、大賞事務局はこれを受けた緊急対応を行ったようだ。

その一方で、ネットには「ブラック企業批判」に対する根強い反論もある。「この程度でブラック呼ばわりはおかしい」「今の人間は働かなさすぎる」「過労で心身を病むのは自己管理ができていないだけ」というわけだ。

「愚か者、松下幸之助を読めや!」という人も

労働問題に取り組むNPO法人POSSEの今野晴貴代表が8月30日、ヤフー個人に「『たかの友梨』はブラック企業なのか?」というエントリーを投稿した。9月3日までにFacebookユーザーから約240件のコメントが寄せられたが、その大半は記事への賛同で、

「真っ黒です。これ以上の黒はありません」

「休憩なしの8時間連続労働だって、奴隷労働だよね」

など、労働者をないがしろにする会社や経営者を糾弾する内容だった。その一方で、ブラック企業を批判する人に問題があるとする意見も目につく。

「今の人間は働かなさすぎる。朝、出勤してタイムカードを押し、時間から時間までいれば給料が貰えると思っている人間ばっかりだ」

「はっきり言って『根性なしは辞めろ』ってだけじゃねぇですか?」

長時間労働が常態化し、休憩時間が取れないことについても、「12時間労働、別に普通だし。休憩とれない? それだけ仕事量がある証だろ?(略)自分の生活を優先してるからくだらない思考になりブラック発言するんだろ?」という書き込みもあった。

反論から垣間見られるのは、「仕事はお金のためにするのではない」という価値観だ。ある女性は「仕事にやりがい感じてたり一生懸命な人はそんなこと(ブラック企業批判を)言わないよね」と呆れる。

「松下幸之助の本を読めや!自分がいかに愚か(か)、理解できる。生活をする為に働く奴は所詮待遇面しかみない」

と、往年の名経営者の名前を引き合いに出す人もいる。プロ意識を持って神聖な仕事に打ち込んでいれば、細かな待遇面を気にすることもないということなのか。

「過去の歪んだ成功体験」の弊害はないか

たかの友梨を告発した従業員に対しても、厳しい批判があがっている。

「会社を告発する限りは、それなりの覚悟があって行うこと、精神的苦痛で出社できなくなったとの申告は可笑しい。急成長する会社はそれなりの過酷なところがあって当然」

若い頃、母親に会社の文句を言ったところ、「働かせてもらってるだけでもありがたいと思え」と言われたのを思い出した、と振り返る人も。こうしたブラック企業擁護を見ていると、過去に厳しい環境で働いた経験があり、それを乗り越えて来た自負を抱く人が多い。

ゼンショーの第三者委員会による調査報告書では、「超人的な長時間労働」ですき家を成長させたという成功体験が経営幹部にあり、それを基準にした働き方を現場に求めたことが、ブラックな職場環境に繋がったと指摘されている。

今回の今野氏の記事に対しても、すき家で「ワンオペ」で働いてきたという人が、

「要は自己管理できない人間かできる人間かの違いだ。アホはどこで働いても無駄に苦労する」

と、過重労働を訴える人たちに対して、厳しい意見を寄せていた。しかし現実には、アルバイトに嫌われた「すき家」は人手不足に陥り、多くの店舗が休業状態になってしまった。その責任は「過去の歪んだ成功体験」を捨てきれない人にある、とはいえないだろうか。

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