小林幸子さん
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ニコニコ動画を地上で再現する「ニコニコ超会議」を各町で再現し、町ごとの特色を出しながら地元ユーザーと一緒につくりあげていく「ニコニコ町会議 全国ツアー2014」。

【小林幸子が語る、ボカロにしびれたワケ 本人がコミケ参加を振り返る!の画像・動画をすべて見る】

これまで長野県や宮崎県など、全国各地で開催されてきたが、ついに9月20日に、2013年度は台風の影響で中止となってしまった東京都・檜原村で開催された。

檜原村での開催は、ニコニコ町会議FINAL in 東京都 檜原村「檜原ニコニコ祭り」と題され、演歌歌手の小林幸子さんがトリで登場。





小林さんは、ボーカロイド楽曲のカバーミニアルバム『さちさちにしてあげる♪』を「コミックマーケット86」で手売りするなど、新たな文化との交流を盛んに行っていることで大きな注目を浴びている。

編集部では、そんな小林さんを、「檜原ニコニコ祭り」のステージ直後に直撃

50周年を記念した武道館公演に懸ける思いや、1キロ以上にわたる行列ができたコミケでの思い出、さらには小林さんにとってのボーカロイド楽曲に関するお話を、囲み取材でうかがってきた。

互いの世界を伝えるのが50周年の私の使命


──さきほどステージ上で小林さんの50周年記念の武道館公演がニコニコ生放送で中継されることが発表されましたが、心境はいかがですか?

小林 すごく嬉しいです! 私は今まで演歌の世界で歌手活動を続けてきました。今回の武道館公演は、50周年記念として、小林幸子の集大成のつもりでやらせていただきます。

一方で、最近はニコニコ動画にボーカロイド楽曲のカバー動画を投稿したり、「コミックマーケット86」でCDを頒布させていただいたりと、今までとは違う世界でも活動しています。

演歌の世界のお客様とコミケやボカロ、ニコ動の世界ってまったく違いますよね。

だからといって両方の世界を融合させるんじゃなくて、両方のお客様に「こういう世界もあるんですよ」って、両方の世界の人たちに互いの世界のことを知ってもらう、見てもらうということが、武道館での50周年の私の使命だと思っています。

コミケでの思い出


──今年は8月にコミケで自身のボカロカバーミニアルバム『さちさちにしてあげる♪』約1,500枚を手売りされて、アニメやマンガが好きな、いわゆるオタクの世界の人たちと直接触れ合いましたよね。

小林 コミケに参加してみて感じたのが、こっちの世界の人たちはものすごく素直。実際に話してみると、みんなシャイで言いたいことをうまく言えないんだけど、涙ぐみながら「買えてよかった、おばあちゃんに買ってきてって言われて…」って喜ぶんですよ!

その人は日光に住んでる田舎のおばあちゃんのために並んでくれたんですけど、久しぶりにおばあちゃんから電話がかかってきたみたいで。

 おばあちゃんどうしたの?

おばあちゃん お前ミッケー行くんだっけ?

 ミッケーって何?

おばあちゃん ミッケーだよミッケー

 コミケのこと?

おばあちゃん あぁ、そうそう!

 それがどうしたの?

おばあちゃん 小林幸子がいるんだろ? CD買ってきてくれよ

って会話があったようで、私その話を聞いて本当に嬉しくって。

──一同(笑)。

おばあちゃんは頒布してるCDがボカロのカバーアルバムってことは知らないんだけど、そのお孫さんは5時間も並んで買ってくれたんです。

しかも「これまで全然親孝行できてなかったけど、やっとおばあちゃんに親孝行できたぁ!」「ありがとうございます!」って言うんですよ。

「もう、な〜んて優しい人なんだろう!」って思いました。



1キロも並んでるって聞いた時も信じられなかったんですけど、普段アニメとか見てる人たちが炎天下の中何時間も並んでくれてるのは、間違いなく私のCDを待ってくれている人たちなんだと思うと、握手なんかもしたりして。そしたら中には「結構です」って断られることもあったんです。

「あれ? なんで?」って思ってたら、「幸子さん、握手する時間があったら早く後ろの人に頒布してあげて下さい」って。

そういう人。それがコミケに参加する人たちなんです。こんなに優しいなんて、私正直びっくりしました。

ほかにも、叩くとすぐに冷たくなる「冷却パウチ」はどれだけの人にいただいたか覚えてないくらいだし、「喉が枯れちゃうかもしれないので舐めて下さい」ってのど飴をくれたり、飲み物をくれる人もいたり、私が「ありがとうございます」って言うのはわかるんですけど、並んでくれた人たちが私に「ありがとうございます」って言ってくれるんです。

あと「冬は、冬は来るんですかぁぁぁ?」ってよく聞かれたんですけど、冬コミの参加は考えてません(笑)。あまりにも暑かったので(笑)。


行列すぎて先が見えねえ…! コミケ降臨のラスボス・小林幸子ブースに並んでみた


「千本桜」にはしびれた



──コミケでは5時間も並んで買いにきたり、9月25日からついにネット配信がスタートするなど、大反響の『さちさちにしてあげる♪』ですが、小林さんにとってボーカロイド楽曲はどのような存在なんでしょうか?

小林 はじめてボカロを聴いた時、それは今までに感じたことのない世界だったの。もちろん、前から初音ミク、彼女の存在は知ってたけど、いざちゃんと聞いてみると本当に良い曲がたくさんあるんですよ。

だから最初はそれをどうにかしてもっともっと多くの人に知ってもらうことってできないのかなって思いました。

だって1つの区切りだけで盛り上がってるじゃないですか。でも私が活動してる、いわゆる歌謡曲や演歌の世界なんてもっと狭いんですよ。

だから「どうしようかな」って色々迷ってたんですけど、そういう気持ちよりも先に私がおもしろがってきたんですよ。だっておもしろいでしょ?

それでね、色んなボーカロイド楽曲があるけど、最初に「千本桜」にはちょっとしびれましたね〜。

「千本桜」には、私が持ってる自分の中のフレーズがちゃんとあるんですよ。だからその仕組みが自分の中で組み立てられたんで、「これは絶対に良い!」って思いました。

あとはね、「さちさちにしてあげる♪」はいいけど、「いやいや、私が歌う〜?」って状況だったんですよ(笑)。でも、新しいモノ好きの私の最高のスタッフたちが「おもしろがってやってるんだったら、歌いましょうよ」って。

私はね、困ったときは「やれない」って言わない性格なんですよ。だから「やる!」って言っちゃって(笑)。



──ボカロの曲を歌う上で困ったことはありますか?

小林 困ったことは1つで、普通私が歌う曲をつくる人は、生身の人が歌って作曲していくわけじゃない? でもボーカロイドってコンピューターだからブレスするタイミングがどこにもないんですよ。

そんなこと人間だったら絶対にありえない。だから私の50年の引き出しを色々と開けながら、どこでブレスしようか、歌い方を試行錯誤しました(笑)。

だから「ここはブレスを倍入れた方がいいのかな」とか、色々考えて本当に勉強になった。ボカロを歌わなかったら、こんな勉強をすることはありえなかったと思います。すごく良い意味で勉強になりました! おもしろいですよ。

歌ってみます? ほんとに(笑)。

──一同(笑)。

小林 そもそもブレスなんて存在しないんだもん(笑)。あとは音域が無限大。男性のキーとか女性のキーとか関係ないの。もう平気で2オクターブ上とかいきなり出てきちゃって、最初は「え?」ってなって悔しいんだけど、出せた時は「やった!」って思うの。

いつになっても新たな勉強はとても良いですね。心が折れちゃうと困るんだけど、今のところなんとか克服できてる。ボカロって良い曲いっぱいありますよね。どうしたらもっと多くの人に伝わるのかな…





「悪ッ霊ッ退ッ散ッ ICBMッッッ!!!」
──今日の「ニコニコ町会議」では、『さちさちにしてあげる♪』から3曲披露されましたが、ライブ中はどうでしたか?

小林 今日は2曲目に「J( 'ー`)し カーチャン」を歌ったんですけど、ぜんぶ歌ってる女の子達が最前にいたんですよ!

なんで知ってるの? え〜」って驚いてたんですけど、最後に歌った「千本桜」にはもっと驚いたね。



「ニコニコ町会議」のプロデューサーに「歌詞に悪霊退散 ICBMってあるじゃない? その時にマイクを向けたらみんな歌うかな?」って聞いたら、「うん、歌うと思うよ」って言うから、いざやってみたら「悪ッ霊ッ退ッ散ッ ICBMッッッ!!!」って全員で歌うの!

そしたら急にテンションが上がってきちゃって、「千本桜一緒に!」って言ったら「千本桜ァァァ」って。みんな一緒に歌いたいんですよね。仲間意識が凄いと思いました。





──ちなみに今気になってるボカロってあったりするんですか?

小林 まだやってみたい曲があるんですけどね〜、今は内緒

──楽しみにしてます!

小林 今回出した5曲も見事にタイプが全部違うんですよ。ちょっと「私、どうだ?」みたいなね(笑)。だから次もホントに楽しみにしてて!

──武道館では今回の5曲は披露されるんですか?

小林 それはね〜、やっぱり期待に応えたい。歌います!




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