マンション側から見たマルハン習志野店、監視カメラもあったが、高い塀を乗り越えられた。
日刊サイゾー

 建設時に反対運動が起こっていた千葉県習志野市のパチンコ店・マルハンで、客が塀を乗り越えて隣のマンションに不法侵入する事件が起こっていたことが分かった。

 被害に遭ったマンションの管理組合によると、9月13日の午後15時20分ごろ、マルハン敷地内から男が塀を乗り越えてマンションの駐車場に侵入し、周辺を物色。男は住民の目撃に気付いて、その場から逃走。被害はなかったが、マンション側は警察に被害届を出したという。

 昨年のマルハン建設時、反対した近隣住民の敷地に石やゴミ、鳥や虫の死骸、血のついたティッシュペーパーなどが投げ入れられるという嫌がらせが相次ぎ、以前から警察に相談する住民が続出していた。

「それらの嫌がらせを、パチンコ店側と直接結び付ける証拠はなかったんですが、今回は明らかにマルハンの敷地内からの侵入。パチンコで金を失った人が、腹いせに何か盗もうとしたのかもしれません」とマンション住民。

 パチンコ店は大手マルハンが約1年前に開店。だが、周辺が閑静な住宅街とあって、約4,000平方メートルの敷地に777台の駐車場を持つ大型店に対し、昨年5月の建設時から住民たちが反対集会を開いて習志野市長やマルハン側に建設の見直しを求めていた。

 というのも、それまで習志野市は風俗店の建設などに対し、教育施設から200メートル以上の距離を置く独自のルールを制定しており、目前に学校や福祉施設があったことから本来は建設にストップがかけられる条件だった。だが、なぜかマルハンの出店と同じタイミングで、この条例が撤廃されるという、市議会の異様な決議があったのだ。

 住民間では市側とパチンコ店の癒着を疑う声も噴出、マルハンの開いた説明会で反対の声も飛んだが、出席したマルハン社員は「最近のパチンコ店はお年寄りの交流の場になったりしている」と反論。場内から失笑が漏れると、顔色を変えて「笑うな!」と怒鳴りつける場面があり、緊迫した状態となった。

「結局、住民側はマルハン側に営業時間の短縮や、照明、警備の再考など、数々の要望を出したんですが、マルハン側はほとんど受け入れないまま、開店が強行されてしまいました」(同)

 反対した住民からは開店前、治安の悪化と渋滞に対する不安の声が数多く集まったというが、実際に開店後は、それまでに一度も見られなかった渋滞が頻繁に見られるようになったという。

「現場の道路は学校の通学路でもあるんですが、歩道がかなり狭いことから当初、マルハンの雇った警備員が交通整理をしていました。でも、それは開店直後だけ。現在は、地元住民がボランティアで誘導するしかない状況です。ついには今回のような事件が起こってしまい、転居の準備をしている人もいます」(同)

 侵入のあったマンションの管理組合は、マルハンに対して再発防止、監視カメラの精度向上などを求めているが「現時点で明確に対策が取られてはいない」という。

「パチンコ店への苦情を警察に言っても、極端に後ろ向きで、まるで取り合ってもらえない。『嫌なら引っ越せ』と言われた住民もいるほど」(同)

 現在、全国のパチンコ店に関しては政府・自民党内で、法人税の引き下げに伴う税収減の穴を埋める財源のひとつとして、パチンコの換金時に徴税する「パチンコ税」の創設案が出されているが、前出住民は「パチンコの換金は実質的には違法行為なので、パチンコ税を認めるとパチンコ自体が合法化してしまうのではないか」と懸念している。

 不法侵入による実害こそ食い止められたが、住民たちのパチンコへの反発は、今回の事件でより強まった印象だ。
(文=ジャーナリスト・片岡亮)

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