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 週刊誌など雑誌メディアによるジャーナリズムの意義とは? 2011年10月10日の「青木理のニュース現場主義」では、雑誌ならではの報道スタイルや雑誌ジャーナリズムにおけるタブーなどについて議論がなされた。『噂の眞相』元副編集長の川端幹人氏が、「半分冗談」としながらも現在の雑誌ジャーナリズムにおけるタブーが「AKB48」であると指摘すると、ジャーナリストの青木氏は複数の雑誌を幅広くカバーすることで、「読み手の側がそれぞれの特性を見抜くこと」が必要であると語った。

■「『噂の眞相』みたいに何でもバサバサ斬る雑誌はもうない」

 今年4月まで約5年半、『週刊朝日』の編集長を務めた山口一臣氏によると、雑誌ジャーナリズムの意義は「事実に基づく仮説の提示」にあるという。すなわち、世に問う内容が仮説の段階であっても、ファクト(事実)を積み重ねことで「少なくとも(「こうであろう」と)推認できる範囲までもっていった上で提示するのが、"半歩先行く"とか"一歩先行く"という雑誌ジャーナリズムの真骨頂」であるということだ。

 一方で雑誌メディアにもタブーはある。2004年に休刊した『噂の眞相』元副編集長・川端氏は「半分冗談だが、いま雑誌業界の最大のタブーは『AKB48』(の批判)でしょうね」と語る。川端氏によるとAKB48のメディア対策は"周到"で、「これまでの芸能プロダクションとはまったく違う」という。「活字メディア(への対応)は秋元(康プロデューサー)さんの弟さんがやって」おり、これまでの芸能プロダクションとは異なるメディア対応をしているという。

「それこそ『日刊ゲンダイ』から『アサヒ芸能』にも出て、『FRIDAY』には集中的に出ている。一番抑えなければならない『FRIDAY』に利権をまいている」

 この点について青木氏は、

「雑誌にはそれぞれ、できることとできないことがある。(川端氏が関わった)『噂の眞相』 みたいに何でもかんでもバサバサ斬るという雑誌は、もう残念ながらないので、読み手の側が雑誌それぞれの特性を見抜くことで、相当幅広く、ほぼタブーがないくらいにいろいろな情報を得られるのではないか」

と提案した。

■芸能ネタを扱いやすい雑誌・扱いにくい雑誌

 山口氏は、"B5版ザラ紙"雑誌を『週刊朝日』『サンデー毎日』など「新聞社系」と、その他の「出版社系」に分類。さらに後者を比較的落ち着いた表紙デザインの「文春・新潮系」(『週刊文春』『週刊新潮』など)と、表紙いっぱいに記事の見出しがあふれている「ポスト・現代系」(『週刊ポスト』『週刊現代』など)とに分けてみせた。

 青木氏はこのうち「新聞社系」については、芸能プロダクションとの関係性が比較的薄いため芸能に関わる問題は扱いやすく、一方で「出版社系」は扱いにくいと指摘。マーケットとしては「新聞社系」と「文春・新潮系」が似た市場内で競っており、読者層が似ているなどという特徴を整理した。

 『週刊新潮』については、川端氏が「ひときわ異彩を放っていて、権力側のスタンスや情報に依拠した」報道が多いと指摘すると、青木氏は皇室に関する報道や創価学会批判の点では優れていると評価するなど、さまざまな側面が語られた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「雑誌業界における最大のタブー」から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv66272093?po=news&ref=news#0:55:45

丸山紀一朗、土井大輔)

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