■覚醒剤と大麻を見逃す代わりに、拳銃を摘発
2005年には、北海道新聞の社会面に『道警と函館税関「泳がせ捜査」失敗』との見出しが躍った。当時、北海道新聞で警察担当デスクをしていた高田昌幸氏はこの記事について、こう解説する。「覚醒剤130キロ、大麻2トンを、道警があえて税関を通過させ、そこで一網打尽にするはずが取り逃がしてしまった」との記事であった、と。だが警察からの強い抗議によって、のちにこの一連の報道に対するお詫び記事が、異例ともいえる一面に掲載されることとなる。
ところが、出所後に書かれた稲葉氏の手記や、高田氏自身が行ったインタビューで、驚愕の事実が明らかになる。
「(道警は)最初に、覚醒剤を(国内に)入れさせようと、警察と税関が一体になって見逃した。覚醒剤でも大麻でも、他の薬物でもなんでもいいから3回、4回と入れさせる。そして、この3、4回目のときに初めて(密輸入者に)拳銃を入れてもらう。当時、稲葉さんは銃器対策課ですから、拳銃を摘発することが目的なんですね。そこで拳銃を捕まえる、そういう構造のなかで、先に入ってくるものは積極的に見逃していた。それを銃器対策課という当時の組織全員が知っていた」
稲葉氏はこのほか、「当時、何百丁と挙げた拳銃のほとんどがやらせだった。8年間の捜査のなかで、実際の捜査による拳銃の押収は、たった2丁」とも語ったという。つまり、あらゆるルートから手に入れた拳銃を、「今月は(拳銃が)1丁もあがってない」というような時、さも摘発したかのように見せかけるのに使っていたというのだ。
こうした摘発について、原田氏も具体的な数字をあげ、その実態を指摘する。1992年の暮れ頃、警察庁の指揮で「平成の刀狩り」と呼ばれる拳銃取り締まり強化が始まった。1995年にはオウム真理教による地下鉄サリン事件で騒然とするなか、当時警察官僚のトップである国松警察庁長官が狙撃される事件が起こったこともあり、この年には全国で押収された拳銃の数は1880丁にのぼる。だが、去年、全国で摘発された拳銃数はわずか397丁に過ぎない。原田氏は、「これが警察の実力」とし、この千丁を超える数の差に、"やらせ"の闇が現れていると語った。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 覚醒剤の密輸を「積極的に見逃した」から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv67135960?po=news&ref=news#0:22:04
(ハギワラマサヒト)










