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 ITによる東日本大震災からの復興策を議論する「IT復興円卓会議」の第4回会合が2011年10月25日夜に都内で開かれ、ニコニコ生放送で中継された。今回のテーマは「ソーシャル」。震災時の利用法や今後のあり方について意見が交わされた。レギュラーコメンテーターのジャーナリスト佐々木俊尚氏は、ソーシャルメディアについて「情報の格差化を引き起こした」と話し、「ソーシャルメディアは個人によって得られる情報が全然違う。しかも、つながっている先が良い人じゃないと良い情報が得られない。同じ社会に済んでいて、同じように育ってきた世代でも、完全な格差が生まれてきているのが現状。3.11の震災が転換点となった」と分析した。

 佐々木氏はソーシャルメディアを「つながりのソーシャルメディア」と「情報流通のソーシャルメディア」に分けて解説。「つながりのソーシャルメディア」については、これまでの村や家族的企業といった中間共同体がなくなった若者にとって、今後も必要なものだと話す。その一方、「情報流通のソーシャルメディア」については、必要としない人たちがいることを指摘。そこで生まれる情報格差を解消するためには、自分が求める情報を提供してくれる人、「キュレーター(情報を収集・編集して共有していく人)」がどこにいるか、マッチングをしやすくする技術進化の必要性を述べた。そして、その技術が確立するまでは移行期のため、「情報格差化がどんどん進み、ソーシャルメディアが普及しても情報を収集できない人が大量に生まれるのはしょうがない」と話した。

 これを受け、司会を務めた慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授が、「技術が進んでいけばいくほど、かつてなく人の価値が高まっている」と話すと、佐々木氏は同意し、

「ソーシャルメディア偏差値が生まれてきて、どの人がどのくらいの価値があるのか、測られる時代が遠からずやってくる」

と予測した。

 また今回はゲストとして、株式会社ミクシィの笠原健治代表取締役社長とアジャイルメディア・ネットワークの徳力基彦代表取締役、博報堂DYメディアパートナーズ・メディア環境研究所の森永真弓上席研究員、株式会社ニワンゴの杉本誠司社長が出演。ソーシャルメディアを使った復興に向けてのキーワード・提言をそれぞれ発表した。

 笠原氏は「ソーシャルメディアで気持ちの支え合い」がキーワードになるとし、「mixiも含めてソーシャルメディアには大きな役割があることを再認識した。その可能性をもっと引き出して、高齢者も含め、より多くの人に広げていきたい」と述べた。徳力氏は「つづける(やめない)」という言葉を掲げ、「時間が経つとマスメディアの中では風化してしまいがちだが、ソーシャルメディアは個人で続けられる。継続していくことで、また日本の新しいフェーズが見えてくる」と継続を呼びかけた。

 森永氏は「技術はどんどん進化する。サービスがより実社会に近づくほど、人の営みを考えることが大切になる」と原点回帰を主張。杉本氏はソーシャルメディアの本質を知るために運営側との対話が必要とした上で、「復興したい人・団体・行政等なんでも、どんどんソーシャルを使うべし」と力説し、さらに徳力氏と同じく「継続」の重要性を訴えた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]佐々木氏の「ソーシャルメディアと日本社会」に関する分析から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv67875006?po=news&ref=news#1:05:04

(慶應義塾大学メディアデザイン研究科・永田晃)

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