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 SNSとゲームを融合させた「ソーシャルゲーム」の取り込みなどによって、国内で約2600万人の会員を獲得することに成功したソーシャルネットワーキングサービス「GREE」。2011年10月31日には、今年6月期の連結業績予想を上方修正し、売り上げ高は1300~1400億円になると発表した。株式会社グリーの田中良和代表取締役社長は同日、日本外国特派員協会主催の記者会見に応じ、ニコニコ生放送で生中継された。田中社長は、「GREE」を通じてコンソールゲーム(家庭用ゲーム機)を手軽に購入できない先進国以外の人にも「ゲームを提供したい」という。

■「お金がなくてゲームを遊べない人にも提供したい」

 田中社長は、ゲームビジネスに関する自らの考えを述べる上で、「ゲーム産業は、映画産業、音楽産業を超える世界最大のエンタテインメント産業である」としながらも、いまだ一部の先進国にしか、ゲームが行き渡っていないという実情に触れた。その主な要因として、従来のコンソールゲーム(庭用ゲーム機)では、ゲームで遊ぶためにハードとソフトの両方を買いそろえる必要があるため、ゲームそのものに高いコストが生じていることが問題であると指摘する。その一方でハードほとんど依存しないソーシャルゲームについて、

「(携帯電話や)スマートフォンを通じて、低価格でゲームを始められるようになることで、お金がなくてゲームができない人、先進国以外の人に対しても、(ソーシャル)ゲームを提供できるようになる。大きな変化を作れると思っている」

と語り、今後は、世界を視野に取り組む姿勢であることを述べた。

■家庭用ゲームとソーシャルゲーム「両方よければユーザーは2倍に」

 従来のTVゲームとソーシャルゲームの相関、競合関係について質問が及ぶと、田中社長は、それぞれユーザーから求められている「価値」が違うとし、

「ソーシャルゲームというものは、1人でもできれば、そこに居る数人でもできれば、そこにいない数万人、数百万人ともゲームができるサービス。みんなとゲームをやっているということが一番の価値であって、ゲームの映像が一番の価値というわけではない」

と述べ、両者の性質と目的が異なる以上、ソーシャルゲームの価値は、コンソールゲームより独立して異なるものだという見解を示した。さらに、田中社長は、

「逆を言うと、価値が違うものがあって、(それらが)両方とも良ければユーザーは2倍買うということ。例えば、恋愛小説が流行ったからといって、恋愛映画の売り上げが下がるのかといえば、そういうことではない気もする」

と映画と小説の関係性を例に挙げ、異なる「価値」というものに関して、自らの考えを具体的に述べた。

■田中社長、5年前から現在の状況を想定していた

 株式会社としての「グリー」を設立した2004年当初、田中社長は、いま何をするのかを考えるのではなく、5年後の世の中に何が求められているのかを考えたという。当時、田中社長が想定した2010年のビジョンとして、PCのダウンサイジング理論によるモバイル時代の到来や、通信テクノロジーの進化などがあり、その結論として、5年後の世間で一番求められるビジネスになるとして予想されたのが、モバイルを中心としたソーシャルネットワークサービスであったという。

「パソコンは全員持っていないが、携帯電話は全員持っている。当然、(サービスの)利用者は増える。そういった中で求められるサービスというのは、より分かりやすく簡単、よりシンプルに楽しいというもの。そのひとつの答えが、ソーシャルネットワークとエンタテインメントの融合であり、世界最大のエンタテイメント産業は『ゲーム』である。我々は、ソーシャルネットワークにゲーミングビジネスを合体させた、新しいモバイルソーシャルネットワークサービスを作るべき、との結論に達した」

と、田中社長は当時を振り返り、現在のソーシャルゲームビジネスは、およそ5年前から、大筋の設計がなされていたことを明らかにした。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 田中社長が「ソーシャルゲームの価値」を語る部分から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv68900816?po=news&ref=news#45:38

(内田智隆)

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