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ブロガーのちきりん氏が「通勤手当なんて廃止すべき」というエントリーを2015年1月10日にアップし、議論を呼んでいる。満員電車や長時間通勤を悪化させているのは、日本の企業が「通勤手当を払う」制度が原因だというのだ。

通勤手当の支給をやめさえすれば、家賃を2万円浮かせるために1時間以上かけて通勤している人も「間違いなく、もっと近くに住もうと考えます」。そうすれば「社員が朝からラッシュで疲れて出勤してくる」状況も改善すると指摘する。

都心集中でも「高層化すれば床面積は増やせる」というが

通勤手当があるために「混み方も尋常じゃない」満員電車が生まれ、「ヒールで踏まれたり、コートに口紅付けられたり、他人の汗が肌についたり、ほんとに気持ち悪い」――。まるで通勤手当が諸悪の根源のように批判されている。

確かに通勤手当をなくせば、オフィスが集まる都心に住むインセンティブが働く。それによって人口集中が進み、家賃が高騰することも懸念されるが、ちきりん氏は「高層化すれば、いくらでも床面積は増やせる」という主張を展開する。

「さっさと都心部における低層住宅の建設を規制して、マンハッタンと同じくらいの高層化率を実現すべき」

このエントリーには、ネットで多くの意見があがっている。ある会社経営者は「それはホントに思うわ。何でワザワザ、遠くに住んで、通勤に何時間もかけて消耗させることに補助をだしているのかって」と賛意を表す。

その一方で「絶対嫌だわ。家賃はもちろん物価も高いし」という反論もある。都心集中で、物価はもっと上がるかもしれない。支給前提で生活を組み立てる人が「すでに郊外に家を購入して通勤されている方はどう思うでしょう」と不安がる声もある。

また、ちきりん氏は「お金より時間が貴重」と強調し、長時間通勤の解消が家事や育児、女性の社会進出にも効果があると指摘する。しかし「お金のためなら長時間通勤くらいガマンできる」人や、自然が多く広い敷地の郊外のマイホームを最優先する人もいるに違いない。都心集中で郊外の地価が下がれば、なおさらだ。

高知在住イケダハヤト氏「まだ東京で消耗してるの?」

さまざまな反論はあるが、現に、通勤の負担に苦しんでいる人もいることは事実だ。長時間通勤に慣れた人が都心に引っ越して大きなメリットを感じ、「もっと早く引っ越せばよかった」と言う人もいた。

「車も捨てて中心部のシェアハウスに移り住んだら快適でした!」
「昔は電車の中で仕方ないからKindle読んでたけど、引っ越したら自転車通勤で健康的やし時間短縮」

通勤時間が長い人ほど幸福感が低いという調査結果もある。ホリエモンこと堀江貴文氏も、満員電車対策として「格安で使えるシェアハウスとかを都心にどんどん整備することじゃないですかね」と年末のメールマガジンで答えている。通勤問題に関心を持つ人が少なくないことをうかがわせる。

通勤手当は、社員の生活を丸抱えする日本企業独自のもので、海外ではほとんど見られない。しかし「仕事は大都市、住むのは郊外」というのは先進国共通の生活様式であり、「通勤手当の廃止くらいじゃ生活は改善しない」という反論もある。

ブロガーのイケダハヤト氏も、通勤手当が廃止されれば「住まいの貧困に直面する」と批判している。ただし現状のワークスタイルを良いとは思っておらず、解決策として「子育て世帯向けの公的家賃補助」とともに「在宅勤務の推進」を挙げている。

「ぼくは高知市に移住して仕事してますよ。まったく問題ないです。ご飯は美味しいし、年収はアップしました。子育て条件も最高です。まだ東京で消耗してるの?」

「在宅勤務」は解決策となりうるのか

確かに職場を都心に置くと決めつけるから、都心への通勤が必須になってしまう。職住近接が可能な地方に住んだり、オフィスを地方に移転したり、在宅勤務を増やしたりすれば「通勤手当」の多寡は問題ではなくなる。この意見には賛同する人も多く、

「仕事の為に生活を歪める思想に違和感がある訳で、その意味でイケダ氏の郊外移住推奨は正しいと思う」
「私も在宅勤務推進に賛成! 電車の混雑も解消されるし、通勤手当も要らなくなるし、家庭での時間も作りやすくなるのでは。今ならテレビ電話で会議や連絡も取れるわけだしね」

といった意見も出ていた。

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