露骨な性行為を描くマンガやアニメの販売・レンタルを規制する東京都青少年健全育成条例(以下、都条例)の改正案が、12月10日、都議会総務委員会で可決されました。15日に開かれる本会議で可決・成立する見通しと報じられています。これに関連して、台湾在住の『Twitter』ユーザーが、1960年代の台湾マンガ界が表現規制により著しく衰退した歴史を語るツイートが話題になっています。

今回成立した都条例は、作品の芸術性・社会性をくみ取り慎重に条例を運用するよう“不健全図書”を指定する審議会の検討時間を確保する条件を盛り込んだ付帯決議にはなったものの、不明確な条文に執筆活動が不自由になる可能性は大きいことが懸念されています。

これについて「都民どころか日本人ではないが台湾の話をしよう」とツイートを始めたのは、台北市の『Twitter』ユーザー。1960年初頭、人気漫画は実写映画になるほど、輝かしい時代を迎えていた台湾漫画界は、1966年に政府が可決した『漫画審査制度』により大きなダメージを受けてしまったそうです。

この制度では「国家政策と法律を反してるもの、倫理道徳を破壊するもの、少年児童の心身健康を妨げるもの、習俗を妨げるもの、迷信を宣伝するもの、国家社会に他の影響を与えるもの。これらは漫画のイラストと文字に存在してはいけない」「犬は喋らない。ロボットの能力は制限されるべき、自由意識と言葉を持つべきではない。武器は現存のそれを超えてはならない、核やレーザー、ガスなど強力すぎる武器を使っていけない。etc…」などと、漫画家の想像力を縛りつけたため、台湾漫画は消滅。なぜか1980年代には日本の漫画がさほど審査を受けずに海賊版として流通して大ブームになっていたと言います。

1987年になって、ようやく制度は廃止されましたが、もはや台湾漫画界は立ち直るには至らず「漫画アニメといえば日本産、という現状になりました」。さらにこのユーザーは、「台湾で漫画表現が規制されたことは実際の犯罪率などの変化を踏まえて本当に意味があったのか、ということも考えなければいけないと思う」と述べています。

台湾漫画界が『漫画審査制度』によって衰退したように、これからの日本の漫画・アニメ界も失速してしまうのでしょうか? 時代も違えば、日本と台湾では状況も異なっているかもしれませんが、同じ歴史が繰り返されないことを祈るばかりです。

 

※画像は『Togetter』より引用