ガジェット通信

今回はギッチョさんのブログ『破壊屋ブログ』からご寄稿いただきました。

■2014年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞 結果発表(破壊屋ブログ)

●2014年 誰映画ベストテン


順位/タイトル/得票
1位/ルパン三世/310票
2位/黒執事/199票
3位/MIRACLE デビクロくんの恋と魔法/190票
4位/STAND BY ME ドラえもん/183票
5位/TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI/105票
6位/ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ/103票
7位/Wake Up, Girls! 七人のアイドル/90票
8位/僕は友達が少ない/71票
9位/魔女の宅急便/70票
10位/BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-/69票
10位/わたしのハワイの歩きかた/69票

このページの一番下に「真説 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞」も載せました。

全作品一覧と短評解説はこちら

「誰映画 2014 の順位表」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』

http://hakaiya.com/darei/subjects/2014

投票者のコメントはこちら

「誰映画 2014 の全コメント」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』

http://hakaiya.com/darei/subjects/2014/comment

●ベストテン短評
誰映画大賞は『ルパン三世』。剛力彩芽は『黒執事』で二年連続二位、『SBMドラえもん』が「ドラ泣き」の押し付けで嫌われた。K-POPが消えたと思ったらセカオワ。バラエティ番組、アイドルアニメ、ラノベといった新ジャンルが初登場。

●ベストテン総評

●大ヒット映画たちが上位に登場
爆死映画が上位を独占した2013年と違って2014年はヒット映画が上位にランクインした。ブーム作りが嫌われた形だ。しかし商売としては成功かつ正解なのだ。
誰もが大コケを予想した『ルパン三世』は30億円超えの大ヒットだけど誰映画大賞になってしまった。不名誉な賞だけど儲かったんだからいいじゃない!ちなみに2014年の爆死映画は『薔薇色のブー子(12位)』だ。

●誰洋画一位は『アナと雪の女王』
「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞」の洋画一位は何と超ヒット作の『アナと雪の女王(13位)』。意外にも実際に観た人からの投票が多数。コメントには「良い映画だけどあのブームはうざすぎた」という意見が多い。
2014年は「レリゴー!レリゴー!アリノー!ママノー!」を嫌になるほど聞かされたけど、俺は「小保方さん」とか「大韓航空のナッツ姫」とか「連続夫殺人の筧千佐子容疑者」みたいなありのままに生きる女性を見るとレリゴーが脳内再生される。でも『アナと雪の女王』が大コケしていたら、きっと俺は「何でこんな良作をみんな観ないんだ!」とか世間に説教タレていただろうな。

●木下グループ
ダメ映画のスポンサーといえば木下グループ/木下工務店だけど、誰映画ベスト20本のうち7本が木下グループの映画だった。誰が観に行くんだってそりゃ木下グループの取引先だよ。
(総評の続きはページ下部です)

●真説:2014年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞
得票数が少なかったけれど、俺が勝手に選ぶ『真説:この映画はいったい誰が観に行くんだ』ベスト3。

●ヒットマン 明日への銃声
亀田大毅がタコ焼き売りながら親のいない子供と仲良くなる物語。タイトルが関係ないので、亀田大毅が暴れる展開を期待していると裏切られる。

●醒めながら見る夢
ポールダンスの演出家が女性関係にモメる物語と、女性をSM縛りすることで心を癒やす緊迫セラピーの物語が並行して描かれる。辻仁成が監督・脚本・原作。とにかくキモい!

●歌舞伎町はいすくーる
塩谷瞬演じる大金持ちで喧嘩も強いイケメンが高校生活を楽しむために歌舞伎町の夜間学校に通うと宇宙人が攻めてくる。

以下では「ネタバレストーリー」の部分は読み飛ばしてください。また投票者のコメント*1ではネタバレはクリックしないと読めない仕様です。

*1:「誰映画 2014 の全コメント」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/subjects/2014/comment

●第一位:ルパン三世
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「ルパン三世」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/3451

■ ネタバレストーリー
ルパン、不二子、マイケル、ピエール、ジローはWORKSと呼ばれる泥棒集団のメンバーだ。しかしマイケルが裏切ったためにWORKSのリーダーは死亡し秘宝も奪われた。
ルパンはリーダーのボディーガードだった次元と仲間になり、秘宝奪還の旅に出る。ルパンは昔からの知り合いである五ェ門も仲間に加える一方で、日本の銭形警部とも裏取引をする。彼らの目的はマイケルを操っている黒幕だ。
黒幕に騙されていることに気がついたマイケルやハッカーのヨゼフもルパンファミリーの仲間となった。彼らは一致団結して黒幕の超厳重金庫を攻略しようとする。金庫は不規則に動作するセキュリティレーザーに守られていたが、五ェ門がセキュリティレーザーの動きを目視で解析できるという初耳な特殊能力を発揮。金庫の攻略に成功する。
ルパンとマイケルは金庫の中に閉じ込められたが、マイケルが自分の命と引き換えに金庫の壁を爆破してルパンは助かるのだった。

■ ルパンファミリーに新メンバー大量加入
多くの日本人がモノマネにチャレンジしてきたほど親しまれた『ルパン三世』だが世界的知名度は低い。そこで実写版は『ルパン三世』の「無国籍活劇」という部分を強調した。
登場人物たちを各種アジア人で固めて非日本人には吹き替えで日本語を喋らせた。そのためルパン三世の仲間たちは大幅に強化された。

・ 拳銃使いの次元
・ 斬鉄剣の五ェ門
・ 謎の美女の峰不二子
メカニック担当のピエール(韓国人)
ルパンのライバルのマイケル(台湾人)
格闘専門のジロー(日本人)
ハッカーのヨゼフ(タイ人)

アジア市場を見込んだ構成とはいえ漂う「誰だオマエラ」感。それにキャラクターの多さに脚本が振り回されることになったのは残念だ。

■ 昔は実写化してほしいマンガNO1だった
90年代後半の話だけど、俺の知り合いがルパン三世の実写化に関する仕事をやっていたことがある。その時聞いていたキャスティング情報はルパンがジム・キャリーで、銭形がトミー・リー・ジョーンズだった。
ついでに言うと90年代後半では「もっとも峰不二子に近い女」と呼ばれた藤原紀香が登場、当時は『ルパン三世』実写化熱があった。でも実際に実写化されたのは「実写化=ファンの悪夢」という今の時代だ。

■ 実写化に至るまでの道
原作マンガ『ルパン三世』の権利を持つKADOKAWAが名物プロデューサーの山本又一郎に『ルパン三世』の実写化を依頼。監督にはアクションに強い北村龍平監督が選ばれたため俺はけっこう期待していた。キャスティングは揉めに揉めており「小栗旬以外全員取っ替え」が二度も発生。さらに次元役だった櫻井翔はギリギリで降板し玉山鉄二が代役した。どう考えても玉山鉄二のほうが適役だけど。驚きなのは峰不二子でなんと撮影に入ってもまだキャストが決まっていなかった

■ 地雷女:黒木メイサ
峰不二子役は数々の女優に逃げられた挙句、国籍不詳な外見を持つ黒木メイサが登板した。しかし黒木メイサと言えば日本映画のクラッシャー姫。彼女が主演した映画は『昴』『ASSAULT GIRLS』『矢島美容室 THE MOVIE』といった超ド級の駄作だらけだ(この3本に比べれば『SPACE BATTLESHIP ヤマト』はマトモです)。黒木メイサは『ルパン三世』の現場を救ったが、残念ながら彼女の駄作伝説に一本加わることになった。

■ 雑感
・ 「アジア全体に通用する映画を作ろう!」と冒険してくれた『ルパン三世』を叩くのは忍びないが…。つまらなかった。でもコスプレ演技は楽しかったよ。

・ キャスティングからジャニーズとAKB48を外した映画が大ヒットしたのは嬉しい。
・ 実写化の際に問題になったのは五ェ門のキャラ設定で、当初の案では侍キャラはやめる予定だったらしい。そうだよなぁ、五ェ門が出た瞬間ファンタジーになっちゃうもんな。
・ 製作費がかかっている日本映画ってなぜ外国人ばかりを集めたパーティーシーンがあるんだろう?『ガッチャマン』にもあったよね。

●第二位:黒執事
「最悪」「やめて」という言葉よりも「なぜ」に笑った。

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「黒執事」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』

http://hakaiya.com/darei/title/2814

■ ネタバレストーリー
剛力彩芽が演じるヒロインは巨大玩具メーカー:ファントム社(任天堂みたいなもんか?)の総帥:キヨハルだ。剛力彩芽は幼い頃に両親を殺されその際に莫大な財産と爵位を受け継いだ。伊武雅刀演じる悪徳企業と戦う剛力彩芽を援助するのは、ファントム社の共同経営者であり血縁関係者でもある叔母のハナエ(演じるのは優香)だ。

その設定だと優香が黒幕だよね。

剛力彩芽は世間で起きる謎の「連続ミイラ化怪死事件」を追う。やっぱり黒幕の優香は人間をミイラにする薬をテロ目的でバラ撒こうとしたが剛力彩芽たちの活躍によって自爆、優香はミイラになって死ぬ。「連続ミイラ化怪死事件」の真実は暴かれたと思ったが、実は悪の手先だった警察官役の岸谷五朗が真実を握りつぶしてしまった。完。ストーリー、そこで終わるのかよ!

■ 黒執事のことを書かなかった理由
ネタバレストーリー紹介で主人公の水嶋ヒロのこと何も書かなかったけどこれには理由がある。この映画は全部「黒執事は悪魔だから何でもできる」で解決するのだ。そのため黒執事絡みのストーリーを追う意味は無い。

■ 水島ヒロ
水島ヒロのWikipediaにはこんな事が書かれている↓。

俳優以外にも多岐にわたるコンテンツのプランニングやディレクション及びクリエイターとしても活動。

そんなクリエイター水嶋ヒロがコンテンツをプランニングしてディレクションしたのが『黒執事』である。『黒執事』の公式サイトでは制作側が水嶋ヒロの獲得に苦心した様子がレポート*2されている。サイゾーではまったく逆のことが書いてあるけどね*3。

*2:「圧倒的人気コミック、奇跡の実写化に向けて」 『黒執事』
http://wwws.warnerbros.co.jp/kuroshitsuji-movie/note.html
*3:「水嶋ヒロが俳優復帰作で大ヒンシュク “超俺様”態度にスタッフあぜん」 2013年04月07日 『excite』
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20130407/Menscyzo_201304_post_5675.html

■ 剛力彩芽バッシング
剛力彩芽バッシングについてはうんざりしている人も多いだろうが、俺はネット上の剛力彩芽バッシングに感謝している。何故なら俺は『パトレイバー』の大ファンで、パトレイバーのヒロインといえばショートカットの元気な女の子。つまり剛力彩芽がキャスティングされる可能性が高いのだ。
2013年に『パトレイバー』の実写化が発表されたときのパトレイバーファンたちの反応は喜びよりも阿鼻叫喚のほうが大きかった。剛力彩芽がヒロインを演じる恐怖に怯えていたのだ。しかし私たちの叫びが届いたのかどうかは知らんが、パトレイバーのヒロインには真野恵里菜が選ばれた上に彼女は見事な好演だった。パトレイバーの悲劇が回避された代わりに犠牲になったのが『黒執事』だった。

■ 原作改変
役作りのために体重を増減させたり歯を抜いたりする俳優たちがいる。しかし剛力彩芽には役作りなど不要、役に近づくのではなく役が勝手に剛力彩芽に近づくのだ。
原作の『黒執事』では執事のセバスチャンと御主人であるシエルの耽美的な関係がウリだったけど、映画化の際にシエルの性別を少年から女性に変更した。女性タレントを出演させるために原作キャラを女性に変更するのはテレビ局がよく使う手段だけど、まさか『黒執事』でそれをやるとは誰も思わなかっただろう。
御主人様の剛力彩芽と執事の水島ヒロ、という組み合わせには心に訴えるものはこれっぽっちも無かった。俺個人の意見ではあるが、同じ貴族と執事ネタならガチムチで男らしい山田ルイ53世と頼りないひぐち君の組み合わせのほうがグッと来るものがある。

●第三位:MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
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「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/3691

■ ネタバレストーリー
相葉雅紀演じる主人公は冴えない同人漫画家。相葉雅紀は何か嫌なことがあったら「デビクロ通信」というチラシを作って近隣に貼りまくるという危ない趣味があった。さらに言うと相葉雅紀はデビクロくんとガチで会話できるので本当に危ない人だ。

ある日彼は偶然ぶつかった世界的な照明アーティストの韓国人女性に恋をする(そんなのありえるか?)。

相葉雅紀の幼なじみである榮倉奈々は彼の恋を応援することにした。冴えない相葉雅紀を改造するためにBEAMSに連れて行くと彼はイケメンに変身した(BEAMSがスポンサーなんだよ!)。

しかしその韓国人女性は偶然にも相葉雅紀の友人の元カノだった。ちなみにその友人は大ヒット漫画家で演じるのは生田斗真。相葉雅紀は恋を諦め友人と韓国人女性の復縁を手助けする。

そして彼はオサレアーティストしてフランスへ旅立つ榮倉奈々に告白するために東京駅から羽田に向かって走りだす。もちろん途中転んだりする。

■ ネタバレストーリー(クリスマスの奇跡)
「クリスマスに奇跡が起きる映画」として宣伝されているわけだが、これがもう何が起きるのか予測ついた。雪が降ってホワイトクリスマスになって飛行機の出発が遅れたので、見送りに間に合って空港での告白に成功する。しかもBGMは山下達郎の『クリスマス・イブ』←これが奇跡でしょ?と思っていたら全部的中した。ただし奇跡を起こすのがアニメキャラとして現実世界に登場したデビクロくんだというのは仰天した。

■ 山下達郎の『クリスマス・イブ』実写化!
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』は山下達郎の『クリスマス・イブ』の映画化だ(正確には原作のモチーフが『クリスマス・イブ』)。『クリスマス・イブ』が実写化されるのはこれが二回目で、前回は1989年の『君は僕をスキになる』。主演は山田邦子、斉藤由貴、加藤雅也、大江千里で企画が秋元康で脚本が野島伸司。
我々日本人はバブル世代が全逝去するまで『クリスマス・イブ』の呪縛から逃れられないのだ。

■ コミケが協力
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』では撮影になんとコミックマーケット準備会が協力。オタク文化をポシティブな文化として映画に組み込んでいる。だけどこれが別の偏見を生み出しそうな内容。どういう風にオタク文化を取り込んでいるかというと…

1. 相葉雅紀は同人漫画家だけど生田斗真は超売れっ子漫画家。

2. 久しぶりに再会した二人。

3. 漫画家として大成功したはずなのに生田斗真はなぜか相葉雅紀のことを羨ましがる。

4. なぜならコミケはピュアな場所だからだ!

ってコミケは人間の欲望が渦巻く場所だと思うがな。まあ生田斗真が言いたいのは商業主義批判なのでそれをピュアと表現するのは構わない。でも『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』こそが商業主義至上の産物であり、そこで商業主義を批判してもギャグにしかならない。

■ ちなみに2014年のオタク描写
2014年のメジャー日本映画はオタク描写の取り入れが積極的だった。『海月姫(20位)』はオタクたちを主人公にしたし、『ジャッジ!(61位)』は涼宮ハルヒのグッズが映画の重要な小道具になっている。

●第四位:STAND BY ME ドラえもん
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「STAND BY ME ドラえもん」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/3394

■ ネタバレストーリー
ドラえもんが未来からやってきた。目的はのび太の結婚相手をしずかちゃんに変更するためだ。ドラえもんの体内には「成し遂げプログラム」が組み込まれており、ドラえもんがセワシの意志に反する態度を取るとドラえもんには電気ショックが流れる
のび太は、未来のしずかちゃんが雪山で遭難することを知る。のび太はタイム風呂敷で大人に変身してタイムマシンで未来に行く。だがのび太に出来ることは何も無く二重遭難する。しかし大人のび太が「そういえば子供の頃未来に行って雪山で遭難したな」と思い出して救助にやってきた。
大人のび太はしずかちゃんと結婚することになった。大人になったジャイアンが言う。

「しずかちゃんを出来杉に取られるならガマンできるけど、のび太はなぁ」

自分の役割を終えたドラえもんは未来に帰ることになった。

あとのエピソードは原作第6巻の『さようなら、ドラえもん』と原作第7巻の『帰ってきたドラえもん』と同じです。

■ ドラえもんの基本設定は酷い」
『ドラえもん』の基本設定はバカの主人公の結婚相手が不細工で不幸なので、タイムトラベルして美人と結婚する。という」失礼極まりない設定」。それでも誰もが笑って許したこの設定を「ドラ泣き!」とか押し付けられるとさすがにふざけんなと思う。

■ さようなら、ドラえもん
ドラえもん第6巻のエピソード『さようなら、ドラえもん』は大傑作を通り越して、弱者に勇気を与える寓話になっている。だからこのエピソードに注目して泣きコンテンツを作るという狙いは良いと思う。
ところが一本の物語となった『ドラえもん』は設定の酷さが浮き彫りになってしまった。容姿が見劣るジャイ子はそれだけで嫌われ、のび太のクズっぷりは何も改善されず騒いでいるだけ、他人を思いやる出木杉は報われない。原作では数々の名ギャグを生み出したドラえもんのひみつ道具は単なるチートとして描かれた。

■ LEAVE ME ALONE ドラえもん
今回『STAND BY ME ドラえもん』が誰映画で得票を集めた理由は宣伝のウザさが原因だ。俺も予告編の気持ち悪さに愕然としたので「この映画は絶対に観に行かん!」と決めた。
2014年の夏に二人の女性から『STAND BY ME ドラえもん』誘われた。ものすごい幸運なのに、普段は願い下げされる側の俺が願い下げ側に回った。
しかし誰映画で『STAND BY ME ドラえもん』が上位に来たので2015年の正月に一人でめっちゃ遠い下高井戸の映画館まで行って「俺は何やっているんだろう?」と自問自答しながらこの映画を観たよ。
そしてこの映画は2015年の正月でも上映しているほどの大ヒット。この映画の狙いは正しかったのである。

●第五位:TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI
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「TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/3409

■ ネタバレストーリー
すいません。俺はこの映画を映画館まで観に行きましたがストーリーを認識することができませんでした。なのでオチ無しの羅列を書きます。

・ セカオワの楽屋に「何か」が出現する。「何か」はスタッフたちには見えないがセカオワのメンバーだけに見える。(監督のインタビューによるとセカオワのメンバーは「何か」が見えるそうです。だから「何か」って何なんだよ!
・ 夜の東京の街に巨大怪獣が現れる。その巨大怪獣はどこかへ飛んで行き子供と出会う。(よくわからないけどコレがドラゲナイトかな)
・ 遠い未来、セカオワのメンバーは老人になったがそれでもライブをするのだった。(老人の特殊メイクは良かった)
・ セカオワの中心人物Fukaseの音楽の作り方は音に脅迫的に追われながらも使える音を見つけていくものだ(Fukaseは悪くないだろうけど、それって佐村河内がNHKを騙したときに語っていた音楽の作り方に似ている)。

■ 皆様に文句あり
この企画は皆様の投票で成り立っているものであり毎年大変に感謝している。仕事が忙しくなる年末では皆様の爆笑コメントを読むのが俺のストレス解消法になっていて、本当にありがたい。
しかしである。一応管理人として上位映画は観に行く必要がある。俺は映画マニアなのでどんなクソ映画でも起承転結さえあればそれなりに楽しめるお得な人間だ。
しかしそんな最低限の楽しみすら出来ないジャンルが音楽映画だ。しかも興味ないバンドともなればまさに地獄!『TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI』を観るのは大変だったぜ。

■ セカオワに興味ない
でもセカオワに興味が無いのは本作のラファエル・フリードマン監督も同じ。監督選定の際にラファエル・フリードマンだけがセカオワに関する知識がなく、さらに東京の景色を撮りたいという企画書を提出してきたらしい。セカオワ側もあえてその企画を受けた。

監督は本当にセカオワに興味ないらしく、メンバーたちが一生懸命撮影したライブ後の自撮り映像を全部ボツにした(インタビューでメンバーたちがガックリきているのが面白い)。

セカオワ好きの親戚のためにフェス会場でセカオワグッズを買っている俺のほうが詳しそうだ。

劇中ではセカオワファンのコスプレ姿を延々と映している。高度に発達した東京とコスプレする人たちの対比が面白いのだろう。

■ 東京ファンタジー
東京ファンタジーというのは日本映画でよくある手法だ。東京の景色をファンタジーのように映し出す。ロケ撮影だけで世界を構築できるので予算が少ないインディーズ系の日本映画がよくやる手法だ。俺は嫌っている映画だけど『空気人形』がその成功例かな。
でもセカオワの「TOKYO FANTASY」は所属事務所の名前だけど。

■ ありのままの私になる

セカオワの「あるべき姿」ではなく「ありのままの姿」を撮った。

って公式サイトに書いてあるけど、映画本編は良い意味で演出も台本も演技もある非ドキュメンタリー。そもそもピエロ姿で日常生活送っている時点でありのままじゃないぞ。夜道にピエロが出てくるシーンはホラー映画並に怖かった。「ありのまま」っていう宣伝はアナ雪の影響だろうな。

●六位以降

●6位:ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ
「ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/3588
バラエティ番組の映画化は何度かあったけど、誰映画ベストテンでは初登場。好きな人からの評判は高い映画なのでここまで嫌われているとは思わなかった。前作が15位だったのに本作が6位にまでハネあがったのは「まさかこのネタで続編を作るとは思わなかった」の声多数の結果。
俺は未見なので何とも言えないが「アドリブでキスを我慢する」という前作はあまり面白いと思わなかった。

●7位:Wake Up, Girls! 七人のアイドル
「Wake Up, Girls! 七人のアイドル」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/2781

これも新ジャンルがランクイン。アイドルアニメだ。山本寛監督が嫌われている上に暴走気味の企画なので得票を集めた。

映画版はアイドルグループの初ライブまでを描く話で「このあとどうなるかはテレビシリーズ観てね!」という終わり方だった。

・ 映画だけを観てもオチがついていない。
・ テレビシリーズだけを観た人には物語の始まりがわからない。
・ アイドルたちの特徴を説明するオーディションは前売り特典のDVDに入っている

なんか映画というよりも課金コンテンツっぽい。

ストーリーは不幸な状況に追い込まれた少女たちがパンチラ・ライブを決行するというもので、これっぽっちもパンチラが楽しめないのもマズかった。でも真のクールジャパンを輸出したいのなら48グループよりもアニメアイドルのほうがいいんじゃないか(適当)。

●8位:僕は友達が少ない
「僕は友達が少ない」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/2870

これまた新ジャンルでラノベの実写化がランクインした。2013年の話だが実写化反対の運動まで起きた。

主人公は「友達が少ない」で悩んでいる。という設定だけど、友達がいない女生徒たちと部室に集まってダラダラ過ごすってソレめっちゃ楽しい青春だよ!しかも北乃きいと一緒!さらに言うとこの映画はソフトエロ系!オマエの何が不満なのか全然わからないよ。

という設定上の欠点はさすがに作り手もわかっていて後半は「現実とは?虚構とは?」という話に変貌する。

●9位:魔女の宅急便
「魔女の宅急便」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/2953

『ルパン三世』と同じく実写化の際にアニメ側の協力が得られなかった。キャッチコピーは「あ・の・名作がついに実写化」なんだけど、「あの」は明らかに原作小説じゃなくてスタジオジブリの『魔女の宅急便』の代名詞として使っているだろ。

監督:清水崇(呪怨)、脚本:奥寺佐渡子(時をかける少女)なので期待していたけど酷い出来だった。クライマックスでキキが飛ぶとオペラ歌手が登場するシーンは愕然

『魔女の宅急便』のスポンサーは「宅急便」と相性がいいのか食品デリバリー系が多い。それはいいんだけどブラック企業の代名詞:ワタミもスポンサーになっていた。ワタミはブラック色が好きそうだもんな。

●10位:BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-
「BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/2881

2011年に失敗した『手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-』にまさかの続編爆誕。まあ三部作映画なのでしょうがないか。ストーリーはさらにつまらなくなっていた。タイトルの先頭に単語をつけるのは流行りなのか?この場合「ブッダ」が重複しているし。

前作の主題歌がX Japanで今作が浜崎あゆみなので、完結編の主題歌も過去の人を期待している。タイトルは『BUDDHA3 手塚治虫のブッダ 仏陀完結』で。

●10位:わたしのハワイの歩きかた
「わたしのハワイの歩きかた」 『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』
http://hakaiya.com/darei/title/3252

『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』に引き続き榮倉奈々が登場。榮倉奈々はスポンサーが多い映画に必ず出てくるね。両方ともJAL映画だけど出来はマレーシア航空並の事故物件。ただキレイごとばかり描いた『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』よりはずっとイイ。ハワイの金持ち白人相手に日本人女性は婚活、日本人男性はスポンサー探しするというという下品さがあって面白い。

●総評の続き

■ 韓流終了
2014年の前半は「韓流終了」が一般的なニュースとしても取り上げられたけど、誰映画でも「韓流終了」の影響は出ていてベスト100の中に韓国映画は『ミスターGO!(64位)』のみ。
また『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』には韓国人女優ハン・ヒョジュが出演している。ちなみにハン・ヒョジュは日本国内では全くの無名なんだけど、空軍の弟が軍隊内で虐待スキャンダル起こした。そして空軍の広告塔だったハン・ヒョジュは韓国で活動できなくなったので日本で活動している。

■ 誰洋画
誰洋画では宣伝手法が嫌われた『ベイマックス(25位)』や、上映時間があまりにも長い上に企業の宣伝がバンバン入る『トランスフォーマー/ロストエイジ(28位)』が上位に。
またスティーブン・セガールの『沈黙のSHINGEKI/進撃(45位)』はセガールが脇役、かつアクションシーンが無いにも関わらずいつものセガールシリーズとして宣伝した。

■ テレビドラマの映画化が消えた
誰映画ベストテンからテレビドラマの劇場版が消えた。これは初めての現象だ。テレビドラマの劇場版が減ってきた影響がモロに出たけど、テレビドラマの劇場版って発狂級の駄作だらけだったのでこれは嬉しい現象。ちなみに最高順位は『悪夢ちゃん The夢ovie』の19位。

■ 投票対象が1000本
毎年やっている企画だけど投票対象は増える一方。初回の2007年は500本ほどだったのに2014年はついに1000本になった。とにかく色んな映画が公開されている。クズ邦画ブームは終わったと思っているけど「この映画はいったい誰が観に行くんだ」的な作品は増え続けている。

■ 変なタイトル映画
「変なタイトルが得票を集める」も誰映画の楽しみだけど、珍邦題を毎年つけていた韓国映画がほとんど消えてしまった。そんな中、大ヒットシリーズ映画の『トワイライト』との区別が紛らわしい『トワイライト ささらさや(16位)』が得票を集めた。
ちなみに『トワイライト ささらさや』は新垣結衣の「夫が死ぬ映画シリーズ」第五弾。映画の中で新垣結衣の夫はとにかく死にまくる。まるで筧千佐子容疑者みたいだ。

■ 学生恋愛モノ
「壁ドン」をはじめとしてS系男子ブームだけど、映画もそういう作品が多かった。誰映画だと『好きっていいなよ。(24位)』『L・DK(45位)』など。
学生恋愛モノも増えてきているんだけど実際に観てみると『桐島、部活やめるってよ』の影響を受けている作品が多い。

■ ネタバレ系
今回からネタバレ投稿はクリックしないと表示されない仕様にしたので、ネタバレ投稿が増えた。

・ 『キカイダー REBOOT(20位)』は「どうやってハカイダーに勝つか?」の方法が酷すぎる!の声多数。
・ 『悪夢ちゃん The夢ovie(19位)』は小学生向けの映画にしてはハードコアなトリックを使っていてそれが嫌われた(俺はあのトリック好きなんだけど…)。
・ 『MONSTERZ モンスターズ(13位)』はリメイク映画だけどオリジナルのネタバレである「主人公も○○○である!」をあえて前半でバラした。それ以前にタイトルでバレている

■ 実写化ブームとパトレイバー
実写化ブームだけど「私の大好きな原作を汚すな!これは侮辱だ!殺してやる!」とムハンマドを風刺されたイスラム過激派のような気分になる人は多いだろう。
俺はパトレイバー信者だけど『THE NEXT GENERATION パトレイバー(39位)』は満足だった。ただしオリジナルの功労者である押井守が監督をした回だけは発狂級の酷さだった。

●新説:2014年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞
「真説:2014年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?」ベスト3は俺が観た作品。本当の意味での「この映画はいったい誰が観に行くんだ」は俺もあなたも観ていない映画。それでも柳下毅一郎氏は観ているのだ。
炊き込みご飯を映画化した『乙女のレシピ』や超常現象の研究者が自著を映画化した『ワンネス -運命引き寄せの黄金律-』などがヤバそう。

「『ワンネス~運命引き寄せの黄金律』 きみはもりけんを知っているか? 年末特番スピリチュアル映画祭り! [前篇] (柳下毅一郎) -4,121文字-」 2014年12月15日 『柳下毅一郎の皆殺し映画通信』

http://www.targma.jp/yanashita/?p=3032

誰映画のサイトはこちら。過去の結果発表レポートも読めます。

『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』

http://hakaiya.com/darei/

最後に。毎年のことだけど、投票してくれた皆様の知識と柳下毅一郎の皆殺し映画通信 | 映画のWEBマガジン 殺しの報酬 月額315円*4と縛りやトーマスの斜陽産業*5には助けられている。

*4:『柳下毅一郎の皆殺し映画通信 | 映画のWEBマガジン 殺しの報酬 月額315円』
http://www.targma.jp/yanashita
*5:『縛りやトーマスの斜陽産業』
http://sthomas.otaden.jp/

執筆: この記事はギッチョさんのブログ『破壊屋ブログ』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2015年02月09日時点のものです。

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