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 コンテンツ作品及びそれに関連する文化的状況についてのシンポジウム・講演・発表が行われる大会「オタク・ファン・マニア」(主催・コンテンツ文化史学会)が、2011年12月3日と4日、東京大学本郷キャンパスで開催された。初日は「『東方Project』が可能にしたもの―プラットフォームとしての<東方>」と題したシンポジウムが開かれた。原作者である上海アリス幻樂団・ZUN氏をはじめ、『東方Project』の二次創作者であるDNA氏(D.N.A.Softwares)、有馬啓太郎氏(日本ワルワル同盟)、島村純平氏(東方紅楼夢)や、小此木哲朗氏(一迅社)らが登壇し、絶大な人気を誇る『東方Project』について学術的に分析した。

 『東方Project』は、弾幕系シューティングゲームを中心とした、上海アリス幻樂団制作の同人ゲーム・アニメの作品群の総称。"幻想郷"で発生する様々な怪事件や怪現象を、主人公である博麗霊夢や霧雨魔理沙などのキャラクターが解決していく。非常に多くの二次創作物が作られ、それらは動画投稿サイトやイラスト投稿サイト、コミックマーケットなどで爆発的な人気を誇っている。

 『東方Project』はなぜヒットしたのか――。その理由の1つとして、シンポジウムでは「二次創作のしやすさ」が挙げられた。二次創作のベースとなる作品の出来が良い上に、ファンが自由に想像できる余地があるというのだ。島村氏は「(キャラクターの)相関関係が最低限に抑えられているため、能力や性格、外見を考える余地が多い。どんどん(話・キャラクターの絡ませ方・服装などを)広げることが出来る」とし、それが独自の世界観を広げる楽しみに繋がったと指摘した。原作者のZUN氏はそういった分析に対し、

「二次創作しやすいのには割と理由があって、僕の中では二次創作しやすいために作るというよりは、続編を作りやすいように作る。1つで完成させないで、『他のキャラクターとちょっとこう繋がりあるのかな』という感じにすると、僕が続編が作りやすい」

と、続編を作りやすく作品を作ることが結果的に二次創作をしやすくしているのだと語った。ZUN氏はさらに、「アンチ商業」をキーワードに挙げ、

「商業じゃないから受け入れられたのは、非常にあると思う。僕が今でも商業化するのに非常に抵抗あるのはそこで、なかなか容易にテレビアニメ化とかしないのも、それをすることによって『ちょっと東方とは違うんじゃないの』っていう感覚になる人がいるだろうということ」

と、『東方Project』が受け入れられた理由を語った。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] ZUN氏が『東方Project』の二次創作のしやすさ部分から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72851558?po=news&ref=news#2:10:37

(中村真里江)

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