ニコニコニュース(オリジナル)

jisatsu.jpg 現代日本を取り巻く様々な社会問題について、識者たちがニコニコ生放送を通じ視聴者と一緒に考える番組「ニコ生トークセッション」。2010年12月15日放送分では「自殺大国ニッポンの真実」というテーマのもと、評論家の荻上チキ氏を司会に、ジャーナリストの渋井哲也氏、そして自殺問題に取り組むNPO法人のライフリンク代表であり、内閣府参与として国の自殺対策方針にも関わる清水康之氏の3人が、年間3万人超、交通事故死者数の6倍以上に及ぶ「自殺」についての討論を行なった。

 議論は「人はいつ、なぜ、自殺してしまうのか」という自殺のメカニズムから、若者からサラリーマン、地方からネット上までという様々な自殺の在り方についてなど広範囲に渡ったが、主に自殺を生み出す社会の構造と自殺を食い止めるケアの二面から展開。清水氏が政府や自治体、NPO法人が現在取り組んでいる具体的対策を語り、それを渋井氏が自殺者の目線が届く範囲に噛み砕いて説明、社会が孕む矛盾性を指摘するという形で自殺者を生み出す社会のひずみが解き明かされていった。その末に生まれた2人の共通見解は、社会の側から提供する支援の為の仕組みがまだまだ甘い、ということであった。

 インターネットでの相談窓口や自治体のホットラインなど、自殺を阻止するためのきっかけとなる場は充実したかのように見えるが、実は「困っている人ほど、救済装置に辿りつけない」ものである現状は依然としてあると2人は指摘。さらに、死そのものを食い止めるための仕組みだけではなく、その起因となる社会生活での疲れ、家庭問題、金銭問題などの窓口と自殺についての窓口の連携が未だほとんどなされていないという事実があると強調し、「要因の連鎖はどこかで止めなければいけない」と提言した。

 荻上氏はこの議論を踏まえ「この国の対策は失敗するのが常。むしろこの問題がまだ残っているという怒りをぶつけ続けてもらうほうが、この国の社会問題を発掘するサイクルになる」と声を挙げる続けることの重要性を説き、さらに、「自殺対策には根本的な対策がないというのが前提なので、このように細かな対策を沢山用意しなければならない」とし、2人の意見に同調。
 「自殺したいという知人がいたとき、なにかしてあげられることはあるか」という質問に清水氏は、「自殺したい人の気持ちを否定しないこと。話を逸らすのではなくて、相手が死にたいと思っていることを肯定してあげること。その話を聞き、問題の在り処がわかってきたならば、その悩みを打ち明けられる窓口に相談するといい」と答えた。
 一方、渋谷氏は、「死にたいという人に限って死なないというが、あれは嘘。そして、いくらあなたが死ぬなよと言っても気持ちを受け止められずに、死ぬ人もいる。死にたいと話す状況はすでに死のうか死なないかで揺れているときなので、そんなときこそしっかりその人の話を聞いてあげて、相談機関やその人の気持ちを理解してもらえるような友人なに相談してほしい。」と、自殺をしようとしている人たち、そして自殺を救いたいと思っている人たちにエールを送っていた。

自殺対策支援センターライフリンク
http://www.lifelink.or.jp/

ニコ生トークセッション 自殺大国ニッポンの真実
http://live.nicovideo.jp/watch/lv34228554 (前半)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv34860131 (後半)
(番組はタイムシフト機能で2010年12月22日まで視聴できる)

村井克成

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