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 昨年6月、小惑星探査機『はやぶさ』が地球に帰還した。当時、日本中のメディアがこの話題を取り上げ、大ブームとなったことは記憶に新しい。だが、その後継機となる『はやぶさ2』の計画に今、「予算削減」という名の暗雲が漂っている。2011年12月10日、テレビメディアの問題を提起するテレビ番組「新・週刊フジテレビ批評」では、科学ジャーナリストの松浦晋也氏が登場し、テレビであまり報道されていない『はやぶさ2』の危機を解説。番組中、松浦氏は、『はやぶさ2』の予算削減は、「子どもに『良いことしたら殴られる』と言っているのと同じ」と語った。

 2003年に打ち上げられた『はやぶさ』は、小惑星イトカワの観察し、物質を持ち帰ると世界初の偉業として大きな注目を集めた。これに続く『はやぶさ2』の目的は、イトカワよりも有機物や水をより多く含むと考えられている小惑星1999 JU3の探査だ。現時点では2014年~2015年に打ち上げることが予定されている。

 しかし、この計画の実行が難しいかも知れないと松浦氏は話す。現在「日本再生重点化措置」の中で文部科学省が要望している324億円のうち、70億が『はやぶさ2』のための予算だ。だが来年度の予算編成では、東日本大震災の復興などを背景に予算が大きく削られる公算が高く、そうなれば計画の延期もしくは中止の可能性も出てくる。というのも、『はやぶさ2』を小惑星1999JU3に送るためには、2014年ごろに打ち上げる必要があり、準備を急がなければならないからだ。

 松浦氏は、『はやぶさ』の偉業には諸外国の宇宙開発に対するアドバンテージがあるとした上で、それを「一回やっただけでおしまいにしてしまったら、無になってしまう」、「続けて初めて確固たるアドバンテージとなる」と主張。コメンテーターの稲増龍夫氏が『はやぶさ』は「我々に夢と希望を与えてくれた」と話すと、松浦氏は「夢を持った子どもがいると思う」と同意。その『はやぶさ』の後継機の予算削減をすれば、

「子どもに対して、『お前、良いことしたら殴られるぞ』と言っているのと同じなわけです。それで日本再生といっていいのか」

と話し、予算配分のあり方を疑問視した。

 また、『はやぶさ』帰還時はテレビメディアが一斉に取り上げたのに対し、『はやぶさ2』の予算問題はほとんど取り上げていない現実について松浦氏は、「継続性」が必要と訴え、

「『騒ぎがあったらすぐ次の騒ぎ』じゃなくて、メディア側が価値観を持つこと」

と、物事を追い続けることが重要であるとした。

 この特集に対し、テレビなどを見ながらコメントを投稿するニコニコ動画の実況サービス「ニコニコ実況」や掲示板「2ちゃんねる」では「公務員の給料削減でできんじゃね」、とする声があがる一方で「今は夢に金かけてる場合じゃねえしなぁ」といったコメントも見られた。

◇関連サイト
・[ニコニコ実況] 「新・週刊フジテレビ批評」の特集「『はやぶさ2』報道に見るテレビの問題点」から視聴 - 会員登録が必要
http://jk.nicovideo.jp/log/jk8/201112100537-201112100557
・新・週刊フジテレビ批評 - 会員登録が必要
http://www.fujitv.co.jp/newhihyo/index.html

(伊川佐保子)

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