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 今年10月に発売された「iPhone 4S」シリーズを筆頭に、2011年ヒット商品ランキング第1位に輝いたスマートフォン。「電話機能がオマケに付いた超小型パソコン」とも言われる携帯情報端末は、インターネット上の情報を手軽に扱えるうえ、利便性の高いサービスをリアルタイムで受けられるなどの理由から、若年層を中心に支持されている。

 現在、携帯電話の出荷台数のおよそ5割以上がスマートフォンになっているという統計もあり、
約4~5年後には、スマートフォンが携帯電話の契約数全体の半分以上を占めるのではないかと予測されている。スマートフォンを持つことは、若者のステータスのひとつとなりつつあるわけだが、スタイリッシュで利便性の高い「スマートフォン」という情報ツールは、かつて若者のステータスシンボルであった「クルマ」に似ているのではないだろうか。

■意外に多い「スマホ」と「クルマ」の共通点

 クルマとスマートフォンの共通点をいくつか挙げると、

1.所有ステータス:まず「持っている」ことで自慢ができる。
2.デザイン性:外観デザインに優れたものが多い。
3.カスタマイズ性:カスタマイズの幅が広く、周辺機器やアクセサリなども豊富。
4.独自性のアピール:自分の好みに合わせたカスタマイズが容易。

など、自己のポリシーやステータスを具現化する道具という観点から、さまざまな点を見出すことができる。

 また、クルマで言うところの車検整備や事故修理、板金塗装を行う会社のように、スマートフォンの修理やカスタマイズ、設定作業などを専門的に請け負う業者が国内でも目立ち始めてきた。どちらも定期的なメンテナンスが必要である「クルマ」と「、スマホ」を取り巻く環境は関連ビジネスの面から見ても、似通っていると言えよう。

■変遷する「若者のステータスシンボル」

 メルセデス・ベンツ日本が首都圏の「若者(18〜30歳)」と「かつての若者(50歳以上)」を対象に行った意識調査によると、若者のクルマへの購入欲求は依然低下しているものの、クルマに対して抱くポジティブなイメージ(『かっこいい』『楽しそう』『ワクワクする』など)は、昔とさほど変わっていないという。とはいえ、長引く不況によって「今の自分には(クルマが)欲しくても持てない」と回答する若者が目立ち、金銭面(税金、車検代、ガソリン代など)や住居面(駐車場の確保が困難など)の理由から、都市部ではクルマの所有が容易ではないことが分かる。

 そうした事情の中で、クルマと似たようなポジティブなイメージを持ち、現代の生活に必要な「ネット上の情報」をスムーズに得ることができるスマートフォンが、ランニングコストの高いクルマに代わる次世代の生活必需品として現在、多くの若者やビジネスマンに受け入れられている。

 特に、電車やバスなどの公共交通機関が発達した都市部では、電車の乗り換え案内アプリや地図ナビゲーションを上手に活用することによって、渋滞や駐車場の問題に悩まざるを得ないクルマでの移動よりも、円滑でストレスフリーな移動が実現できる場合がある。

 近年の急激な社会のIT化によって、インターネットからもたらされる情報は、生活のうえで必要不可欠なものとなりつつある。実生活に必要とされるものの主役が変わっていく過程で、若者のステータスシンボルの主流も、従来の「クルマ」から新世代の「スマートフォン」へ、時代とともに移ろいつつあるのではないだろうか。

内田智隆

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