■「3ヶ月で90万字」書いてプロの道へ
――もともと自身の中で「作家になりたい」という思いはあったのですか?
そういうのはありませんでした。ただ、『まおゆう』を書いた3ヶ月で(文字のデータ量が)1.8メガバイト(≒90万字)になったんです。そのとき「物書きみたいな暮らしもありかも知れない」と、思うようになったんです。VIP板に書き込むうちに鍛えられた部分があるのかも知れません。『まおゆう』以前にも、VIP板に「三十六歌仙」の一人で百人一首に出てくる式子内親王を主人公にした萌え小説を書いていたことがあるんですが、その時はあっという間にスレッドが流れてしまいましたし(笑)。そのうち「こういうタイプの女の子は、こういうシーンで魅力的に映る」という感覚が磨かれたんだと思います。
――VIP板からは今後も新しい才能が生まれていくと思いますか?
それはあるでしょう。創作コミュニティは上手な人が出てくると、だんだん敷居が高くなるんです。でもVIP板には「いいんだよ、ヘタクソで」と言ってくれる文化があるので。下手な人でも参加できるんですよ。
それとニコニコ動画にも同じことが言えるのですが、ネット文化って基本的に「贈与文化」なんですよ。「見返りを求めることなくプレゼントできる人は精神的に豊かである」という考え方が底に流れている。だから、これからも「豊かな人たち」が作品を生み出し続けると思うんです。VIPやニコニコ動画には、観る側にも「一緒に楽しんでやろう」という心意気がありますしね。
――しかし、そこからプロになるのは難しいのではないでしょうか。
プロになるための一番高いハードルは、自分のなかにある「この程度の技術じゃ、認められないよな」という考えです。なにか厳正な審査や試験があってそれに選ばれたエリートだけがプロになれるという考えは間違いだと思います。プロなんて"ちょろい"ぜ! という意気込みで飛び込んでしまえば、きっと周囲も担当さんも応援してくれます。特にネットではいくらでも場数を踏めるので、作品を投稿してみるとか友達に見てもらうとか、いろんな道からプロになる方法はいくらでもあると思います。
◇関連サイト
・[ニコニコ静画] 『まおゆう魔王勇者』駄肉イラストコンテスト
http://info.nicovideo.jp/seiga/maoyu_daniku/
・[ニコニコ漫画] まおゆう4コマ「向いてませんよ、魔王様」
http://seiga.nicovideo.jp/manga/maoyu
・[ニコニコ静画] 電子書籍『まおゆう魔王勇者』
http://seiga.nicovideo.jp/search/まおゆう?target=book
・橙乃ままれオフィシャルサイト
http://mamare.net/
(編集・土井大輔)






