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 韓国で、「金正日萌え」「赤いシャツが好き」などとツイッターでつぶやいた青年が2012年1月11日、同国の国家保安法違反の容疑で逮捕された。

 青年の名はパク・ジョングン(24歳)。アカウントは@seouldecadence。「金正日萌え」の"つぶやき"は、日本語の「萌え」をそのまま、韓国語での発音通りつぶやいたもので、韓国当局は辞書を使ってパク氏の思想検証を試みたとされる。パク氏は上記のつぶやきに加え、北朝鮮当局のアカウント(@uriminzok)のつぶやきをリツイートしていた。

 韓国の国家保安法は、反国家活動を規制することで、国家の安全と国民の生存・自由を確保することを主な目的とし、具体的には「北韓」(朝鮮民主主義人民共和国のことを韓国ではこういう)を賛美する行為や工作員活動を規制するため、大韓民国が成立した1948年に制定された。パク氏が罪に問われている第7条「讃揚・鼓舞罪」は、以下のようなものである。

「第7条(讃揚・鼓舞等) 国家の存立・安全又は自由民主的基本秩序を危うくするという事情を知って反国家団体又はその構成員又はその指令を受けた者の活動を讃揚・鼓舞・宣伝又はこれに同調し、又は国家変乱を宣伝・煽動した者は、7年以下の懲役に処する」

 パク氏のつぶやきはこの条項に違反するとされ、昨年9月、令状を持った警官がパク氏の職場につめかけ、パソコン、携帯電話などを押収した。パク氏は数ヶ月間に渡って「北寄りの思想があるか」と追求されたという。本人は「すべて冗談だった」と主張したが、結局、今回の逮捕に至った。パク氏はソウル市内で北朝鮮の宣伝ポスターをパロディ化したビラをまいたり、路上イベントで「金正日万歳!」と叫んだりしたことがあり、そのことが当局をより怒らせたとの見方もある。

 だが、ここでパク氏の弁護団が反論に出た。彼の7万件にも及ぶツイートを全部調べ上げた結果、「金正日 カーセックス」という「北の工作員ではないことを立証するような決定的な」つぶやきを発見したというのだ。これから検察は「金正日 カーセックス」が、「反国家団体の讃揚・鼓舞・宣伝」に当たることを立証するという、なんともバカげた法廷劇を繰り広げなければならない。

(神田桂一)

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