YouTube『馳ミュージアム』より。
おたぽる

 TPP(環太平経済洋連携協定)の一般向け説明会で、政府がコミケ文化への影響について言及したことで、オタクたちを不安にさせたのが今年5月の話。さる今月6日、「TPP大筋合意」が報じられ、マンガ家・赤松健氏が自身のTwitter(@KenAkamatsu)で、TPPに関する持論を展開した。ただ、世間の反応はさまざまだ。

 環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とし、加盟国間でのルール統一を図る経済連携協定・TPP。関税の撤廃や貿易について話し合いの場が設けられることは、たびたびニュースでも取り上げられていたのでご存知の人も多いだろう。

 実はこのTPP、著作権の保護の在り方についても議論が交わされており、このたび著作権に関し、文学や音楽など主な著作物は「作者の死後から70年」と定められた。さらに、現在の著作権侵害は“親告罪”という「被害者が告訴しないと起訴できない犯罪」だが、ここに作者などの告訴がなくても起訴できるようにする“非親告罪”も導入された。これにより、アニメやマンガを二次創作した同人誌など、創作活動が取り締まりを受けるデメリットも発生することとなる。

『魔法先生ネギま!』や『ラブひな』で知られ、現在は「週刊少年マガジン」で『UQ HOLDER !』(すべて講談社)を連載する赤松氏。マンガ家としての活動のほか、絶版となったマンガなどを配信する「マンガ図書館Z」の取締役会長を務め、海賊版対策などにも力を注ぐ同氏が、「TPP大筋合意」について自らのTwitterで語った。

「こうなったからには、パッと気持ちを切り替えて、本来の目的であった『ネット海賊版の通報&撃滅』などに正しく使うのが良いと思います」と始め、「夏コミにはジャンル的な自粛が出てきて、冬コミでは通報が始まっている可能性があります」「同人ショップはアウト。ニコ動は一斉削除が来るでしょう。pixivは規約変更すると予想」など、自身の考えを続けざまに投稿した。

 この赤松氏のツイートをきっかけに、「娯楽がなくなるじゃん!」「許可とってやればいい話でしょ」「似てるだけで通報されるんだからオリジナルなんてむしろ怖いだろ。許可出てるのしかできない」などの声や、「コミケとかでも出すなら、オリジナルで勝負してほしい」「人様の作品のキャラ弄んで金儲けするのなんてそもそも間違ってるし、いいんじゃないか」といった賛成する声、さまざまな意見が上がっている。

 なお赤松氏は、コミケ現状維持派であることを断言しており、「政府与党(そして野党)も、最近は『コミケ保護』の方向性を出していますね。この点は、今までの児ポ法や都条例などと全く違います。目立つ戦闘はありません。国内法が整備されるまで時間的な猶予がありますので、慌てず騒がず落ち着いて行きましょう」とコミケを擁護。まるでリーダーのような振る舞いを見せた。

「TPP大筋合意」を受け、現時点では各出版社に動きはない中、一作家である赤松氏の張り切りぶりが目立つ。コミケでの販売では「見て見ないふり」をし、マンガ家自ら二時創作を認めたものに付与されるマーク“同人マーク”を発案、『UQ HOLDER!』にも同人マークをつける赤松氏である。「TPP大筋合意」によって、マンガに対する熱い想いが爆発してしまったのだろう。赤松氏の必死の呼びかけが、すべての作家に伝わるかどうかわからないが、コミケ文化を守るため、これからも運動を続けてほしい。

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