大好きなゲームが発売されると、徹夜は当たり前、食事をするのも忘れてプレイしてしまう。そうした経験がある人はきっと少なくないはず。どうしてゲームにそこまでハマってしまう人が多いのか。心理学者の内藤誼人(ないとうよしひと)先生に詳しく教えてもらいました。
失敗を繰り返しながらもクリアする喜びが快感に
「心理学的に分析すると、『間欠強化』という現象が起こっていることから、寝食を忘れてゲームにハマっていると言えます。間欠強化というのは、相手の行動に対して数回に1回だけご褒美を与える状況を作ること。アメリカの心理学者・スキナーは、報酬などの外的な要因が学習行動に関係していることを研究し、毎回ご褒美を与えるより(連続強化)も、数回に一度だけご褒美を与える(間欠強化)方が、行動が高まりその行動が失われにくいことを明らかにしました。ゲームにハマってしまう人が多いのは、間欠強化の心理が働いていると言えます」(内藤先生)
ゲームをしていると、敵にやられてしまったり、謎が解けなかったりして、必ずしもうまくいくことばかりではありません。しかし、何十回も挑戦してクリアできたときの喜びが人をひきつけると言えるようです。先生によれば、パチンコや競馬の人気も間欠強化によるそう。毎回ではない、でもいつか「当たり」が来るかもしれない。そうした期待感が人を虜にするようです。
ということは、ゲーム開発会社はこうした購買者の心理も計算ずみで、開発に取り組んでいるのでしょうか。
「そうですね。クリアできそうで、なかなか出来ない仕組みになっているはずです。ただ、どんなに頑張っても達成感が得られないと、人は無気力になってしまうことが心理学的に実証されています。ですから、多くのゲームでは最初は達成感を得られるように作られているはず。そのあたりのさじ加減が絶妙に計算されているので、多くのファンを獲得しているのだと思います」(内藤先生)
やっぱりゲームにハマってしまうのは、仕方がないのかもしれませんね……。
ご褒美は不定期の方が人はやる気になる!!
ここまでの説明では「間欠強化」は、何かにハマってしまうマイナスな現象ととらえる方もいるかもしれませんが、内藤先生によれば人の行動を高め、その行動をしっかりと身につけさせるために有効なので、ビジネスでも応用できるテクニックだそう。
「たとえばビジネスで、部下にやる気を出させたいときには、いつも部下をほめるのではなく、普段は厳しく接して、ときどきすごく褒める方が部下は伸びるはずです! もし私が会社の社長だったら、間欠強化の原理を応用しボーナスを不定期にしたらどうかな~と思います。心理学的には『社員の頑張りによって不定期に支給する』とした方が、人は頑張るはずなんです。でも、現実的には社員には受け入れられないと思いますが(笑)」(内藤先生)
なるほど! 毎回、ご褒美をもらうより、いつご褒美がもらえるか分からない状況の方が人はやる気になるんですね。ビジネス以外にも、子育てや恋愛でも活用できるテクニックかも。周囲の人の能力を高めたいというときは、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか!
文●ペンダコ
(著:COBS ONLINE編集部)




