ヤング ブラック・ジャック 1
ウレぴあ総研

今期話題のドラマ&アニメといえば、ぱっと思い浮かぶ『エンジェル・ハート』『おそ松さん』『北斗の拳 イチゴ味』。まったくジャンルの違う各作品だが、実は“原案・原作になった漫画が昭和生まれ”という共通点がある。

原作改変、残虐描写カット…業界人が語るTVアニメ“自主規制”事情

それにちなみ、今回は『ドラえもん』や『サザエさん』だけじゃない、昭和生まれの現役コンテンツを調べてみた。

原作者本人が“その後”を描いた作品

アニメ化されるほどの人気漫画が最終回を迎えると、ファンは「あの後はどうなったんだろう?」という想像したくなるもの。それに応えるべく蘇ってきた昭和の漫画がある。

『キン肉マン』→『キン肉マンII世』→『キン肉マン』
『魁!!男塾』→『暁!!男塾』→『極!!男塾』
『銀牙 -流れ星 銀-』→『銀牙伝説WEED』→『銀牙伝説WEEDオリオン』(2014年に完結)
『タッチ』→『MIX』
『シティーハンター』→『エンジェル・ハート』

これらはすべて原作者自身によって新作が描かれたタイトルだ。

特に『キン肉マン』新シリーズは全36巻で一度完結した『キン肉マン』からストーリーが継続しており、衰えを知らないクオリティで旧作ファンの評価が高い。

『男塾』『銀牙』は主人公が世代交代を果たし、順調にシリーズを重ねていった。現在連載中の『極!!男塾』は新旧世代キャラが入り乱れ、なぜか宇宙からの侵略者と戦う展開になっているなど非常にカオスだ。

『タッチ』『シティーハンター』はちょっと特殊で、前作と新作に完全なつながりはない。『MIX』は『タッチ』と同じ世界観で26年後を描いているが、前作キャラの存在を匂わせる程度でほぼ独立した別作品と言ってもいい。

『エンジェル・ハート』は作者自身が“パラレルワールド”と公言している。つまり冴羽リョウや海坊主などが存在していても、ヒロインが交代していても、『シティーハンター』とは世界観そのものが違うということだ。なので他の続編と違い、厳密な意味で「その後を描いた作品」とは言えない。ドラマ版から入門した人は誤解しないよう気をつけたい。

違った表現方法でファン層を広げた作品

違った表現方法でファン層を広げた作品

原作とは別の漫画家に描かせることで、また設定や作風、キャスティングを一新することで幅広いファン獲得を狙った作品もある。

『聖闘士星矢』→『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』『セインティア翔』など多数
『北斗の拳』→『DD北斗の拳』『北斗の拳 イチゴ味』
『おそ松くん』→『おそ松さん』
『釣りバカ日誌』→『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』
『サイボーグ009』『デビルマン』→『サイボーグ009VSデビルマン』

派生作品の数に驚かされるのは、聖闘士(セイント)たちの超人的バトルでブームを巻き起こした『聖闘士星矢』。昭和61年スタートの原作が約5年間の連載を終えてからも、いまだ数多くの続編・外伝が作られている。

原作者の車田正美氏がフルカラーで描く続編『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』、手代木史織氏による『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』、岡田芽武氏の『聖闘士星矢 EPISODE.G』、久織ちまき氏の『聖闘士星矢 セインティア翔』。さらにTVアニメ『聖闘士星矢Ω』、ウェブアニメ『聖闘士星矢 黄金魂 -soul of gold-』など覚えきれないほどだ。

『北斗の拳』は原作のシリアスムードから一転、現在はギャグ作品として『DD北斗の拳』『北斗の拳 イチゴ味』が漫画とアニメの両方で人気を博している。

『おそ松くん』は下ネタとパロディを詰め込んだアニメ作品『おそ松さん』として現代風に生まれ変わった。成長した六つ子が全員ニートという予想外の設定や、関係者からクレームが入りかねない露骨なパロディ描写が話題となっている。

『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』は本家『釣りバカ日誌』より前の出来事を描いたテレビドラマ。原作者自身による同タイトルの漫画がベースだが、ドラマ化にあたって舞台を昭和40年代から現代に変更している。かつてハマちゃんを演じていた西田敏行氏がドラマ版ではスーさん役になるという大胆なキャスティングもファンを驚かせた。

偉大な巨匠が生んだ“昭和の傑作”同士によるコラボアニメ『サイボーグ009VSデビルマン』も注目トピックだ。どこに接点があるのかと不思議になる両作だが、公式サイトのプロモーション動画を見れば、そんな気持ちも吹き飛ぶ。

原作者自身の手を離れた名作タイトルには、勝手な設定変更、クオリティの低下といった不安要素もあるが、新たなファン層へアピールするチャンスであるとも言えるだろう。

あっと驚く“超変化球”も…

あっと驚く“超変化球”も…

昭和時代の漫画の復活には、「その発想はなかった!」「どこにそんな需要があるんだ…」と驚くものもある。

『キン肉マン』→『キン肉マンレディー』
『魁!!男塾』→『紅!!女塾』
『ブラック・ジャック』→『ヤング ブラック・ジャック』

『キン肉マンレディー』と『女塾』は、それぞれ原作者公認のスピンオフ。タイトル通り、原作のキャラを女性化したものだ。主人公の性格や必殺技などもほぼ原作に準じるが、「火事場のクソ力」が「火事場のおっぱい力」になるなど細かい変更点は多い。絵柄も萌え路線で、原作者が描く正式な続編とはまた違った楽しみ方ができる。

そして筆者が個人的に大注目しているのは、手塚治虫氏の名作をベースにしたスピンオフ『ヤング ブラック・ジャック』。現在TVアニメ、漫画版とも好評展開中だ。

同作では学生運動が盛んな1970年前後を舞台に、まだ本名(間 黒男)を名乗っていたころのブラック・ジャックが描かれている。彼が無免許の闇医者に堕ちた経緯、後に商売敵となるドクター・キリコとの出会いなどが語られ、原作ファンとしても興味深い。

迫真のオペシーンと重厚なドラマを備えた同作はそれだけで充分おもしろいのだが、超変化球たる理由は“エロさ”である。女性キャラがエロいのではない。黒男をはじめとした男性キャラの描写がひたすらエロいのだ……!

アニメ公式サイトを見ればわかるが、まず基本のキャラデザインからして色気たっぷり。なにげないシーンでも表情や仕草がいちいちエロい。また、本編中でもやたら男性キャラが脱ぐし、やたら男同士で絡む。そのため女性ファンたちが色めき立ち、あまりの美男子プッシュに「BJ(ブラックジャック)というよりBL(ボーイズラブ)じゃないの?」と評する声もあった。

もちろん男性が見ても問題なく楽しめる良作なのだが、美形キャラに興味のある女性はぜひチェックいただきたい。こういうスピンオフも悪くないわね、と納得してもらえれば幸いだ(?)。

全文を表示