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 仕事をして得た収入に対する税額を確定する「確定申告」の季節がやってきた。多くが"個人事業主"として活動する漫画家も、例外ではない。2012年1月30日、そうした漫画家を目指す若者を支援する確定申告講習会が都内で開かれた。講習会では、「"資料"として購入したゴスロリ衣装は経費として落とすことができるか」など、漫画家ならではの節税に関する質問が飛び交った。

 講習会を主催した「トキワ荘プロジェクト」は、NPO法人「NEWVERY」が行っているもので、漫画家を目指す若者に住宅を提供するなどして支援を行ってきた。現在、都内の20荘では109名が暮らしており、これまで18人がプロとしてデビューした。講習会には、約40人の漫画家・小説家・編集者が参加。公認会計士や税理士が「資料として購入したゴスロリ衣装は経費で落とせるの?」「喫茶店でネームを考えたときの、喫茶店代は?」「同人活動の売上はどう扱えば良い?」といった悩みに答えた。

■同人誌は「作った分でなく、売れた分だけ経費に計上できる」

 税金は、収入から事務所の家賃や光熱費、通信費といった「経費」を引いた額に対し、課せられる。大まかにいえば、同じ額を売り上げていても、経費が100万円かかった場合と50万円かかった場合とでは、後者のほうが高くなる。納税する側は、あらゆるものを「経費」として計上することで節税につながることになる。雑誌、写真集をはじめ、衣服や雑貨などあらゆる資料を必要とする漫画家にとっては、いかに「経費として認めてもらうか」がポイントになる。

 講習会で講師をした公認会計士・山内真理さんによると、経費として認められるか否かは、「仕事に関係のあるものである」という説得力があるかどうかにかかってくるという。この考え方でいけば、前述のゴスロリ衣装は、資料として価値があることを説明しやすいため、経費として計上できる可能性が高い。逆に、日常的に使用されるスーツは「経費として認められにくいのでは」という。

 また、アシスタントとの喫茶店での打ち合わせは、仕事に関係あるものと考えられるが、1人でネームを考えるのに喫茶店を利用した場合は税務署から「疑問視されるかも知れない」とのことだ。同人誌の扱いについては、製作した分ではなく、実際に販売した冊数分だけ「収入」になるため、経費もその数に合わせて計算する必要があると山内さんから注意喚起があった。つまり、200部印刷して10部だけ売れた場合、経費にできるのは印刷代の20分の1になるということだ。

 講習会で、こうした知識について学んだ漫画家らは、「ぼんやりしているものの細部がはっきり見えてきた。これからもっと細部を勉強していくキッカケとして、かなり有意義なものになりました」(30代女性・漫画家)、「初心者でも分かりやすかった」(20代女性・漫画家)と語った。「トキワ荘プロジェクト」はIT、著作権問題など、漫画家たちを取り巻く諸問題を取り扱っていくという。

◇関連サイト
・トキワ荘プロジェクト - 公式サイト
http://tokiwasou.dreamblog.jp/

(中村真里江、土井大輔)

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