「うつ病=即解雇」が不当か正当かを弁護士が解説!
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メンタルヘルスの代表格とされる「うつ病」。最近では、こうしたうつ病に対しても、メディアなどを通じて徐々に理解が広がっているように感じる。しかし、それはあくまで我々が当事者ではないことに限っての理解に過ぎない。
事実、うつ病と診断された従業員に対する会社の態度は、世間一般のうつ病に対する態度とは、大きくかけ離れている。
他方が履行できなくなることは、「解雇」などその関係を大いに揺るがす結果につながりかねない。しかし非対称的な権力のもとで、弱い立場にある労働者(従業員)には、なにも対抗することができないのか。「教えて!goo」にも同じよう以下の質問が寄せられていた。

「友人がうつ病で解雇。合法なのでしょうか?」

■「解雇された」という声が挙がった

うつ病による解雇が不当であるかについて、回答は二分された。一方は、実際にうつ病による解雇を経験していたという意見である。

「一日二日調子が悪くやむなく欠勤しました。後日社長に医師の診断書を渡しました。即解雇となりました」(OOISIさん)

「私もうつ病に似た病気や、他の病気で数回会社を辞めさせられた(形式上は退職願を出していますから、解雇ではありませんが)ことがあります」(maku_xさん)

彼らによると、会社側にとってうつ病に伴う「就業不能」という医師からの判断が大きく解雇を近づけたようである。これはまさしく、雇用における労働と対価の緊張関係が崩れてしまった結果といえよう。しかし、問題はこれが本当に正当な処置なのか、ということにある。

■休職制度、就業規定を活用せよ

他方、うつ病を原因とする解雇を消極的に捉える意見は、まず解雇までにワンクッションの休職、もしくは会社の規則を見返してみるべきだと回答している。

「私もうつでいきなり一週間休み、その後ずるずると『復帰しては休み』を繰り返しました」(doctorelevensさん)

「急に解雇されるのは不当だったと思います」(sawada009さん)

「会社によっては、『解雇』はできないところも多くあります。(中略)…勤め先の就労規定を確認されたらいかがでしょうか?」(yakushimasさん)

こうしてみると、どうやら会社ごとに対応が違うように思えてくる。それでは、会社側の対応として正しいものはどれなのか。

■会社のルール、就業規則に立ち返る

うつ病への対応が、会社ごとに異なるということは、その会社のルールが個々で異なっていることを示唆する。こうした会社のルール、就業規則には、解雇命令の前に「休職制度」を活用することを定めているものもある。これは従業員にとって欠かせない権利だ。そこでまずは、就業規則における休職制度について、加塚法律事務所代表、加塚裕師弁護士に解説していただいた。

「休業・休職については、法令に定めがあるわけではなく、各企業において就業規則等により制度化されているものです。従って、既に就業規則等において休職制度が定められていれば、それに則って対応することになります。また、休職は労使の合意によって行うこともできますが、その場合であっても、最低限、休職期間、休職中の処遇(一般的には無給)、復職の条件・判断基準については明確に定めておく必要があります」

ここで重要なのが、休職の際の基準をいかに具体的にかためるか、ということだ。曖昧な期間や医師からの診断基準のもとで合意すれば、会社側にとってそれは幅のある、拡大解釈を招きやすい内容になってしまう。
その他にも、加塚弁護士はうつ病即解雇という会社もあるということに、こうコメントした。

「休職を申し出た労働者の解雇については慎重に考えるべきです。一般的に、休職制度が存在するのに、それを適用せずいきなり解雇することは解雇権の濫用として無効になる可能性が高いと思われます。また、仮に休職制度がない場合であっても、長期雇用を慣行とする我が国においては、労働者に療養の機会を与えずいきなり解雇することは、やはり解雇権の濫用と評価される可能性が高いと思われます。もっとも、例外として労働者の症状が、仮に休職しても復帰が見込めないような重度の場合には休職とせず解雇をすることも可能であると思われます」

雇用関係は確かに労働と対価の双務的な関係だが、これは必ずしも両者が権力的に対等であることを意味しない。従業員は、常に会社からの権力的命令にさらされるという点で、弱い立場にある。しかし弱さを卑下することはない。弱いからこそ保障されている権利もある。我々は、明日の我が身のためにも、自分に保障されている権利について学ぶべきかもしれない。

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