マッドキャッツ公式Twitter(@MadCatzJP)より。
おたぽる

 入りたくても入れない東京大学に入学し、大学院まで進んだ後、プロゲーマーという道を選んだ男・ときど。1月5日、朝日新聞にときどの記事がアップされた。「受験もゲームも効率重視」「論理だけでは勝てない」「情熱こそ大事」という小見出しからなる記事で語られた言葉の数々が、ネットでも「素晴らしい」と称賛されている。

 1985年生まれ、現在30歳のときどは、小学校1年生の頃から格闘ゲームを始めて以来、格闘ゲームの成長とともに自身も成長したという。17歳、海外大会で優勝し、初めて“世界一”という冠を奪取。その後も世界中の大会に参加し、10年11月(大学院在籍中)、晴れてプロ入りを果たした。そこからはゲームのみに心血を注ぎ、国内はもちろんのこと、月に1度は大会出場のため世界に渡り、そこで得る賞金や、スポンサーであるアメリカの企業・マッドキャッツからの固定給で生計を立てているそうだ。そんな自分を“タイガー・ウッズの小規模バージョン”と称す。

 優勝回数が世界トップクラスで、“格ゲー5神”にも数えられるときど。大学院は中退しているが、東京大学工学部マテリアル工学科を卒業しているため、やはり「ゲームをしていたのに東大に入れたのか?」「それとも、ゲームをしていたから東大に入れたのか?」という質問を頻繁にされるとのこと。その答えは、「中学生時代から『ストリートファイター』(カプコン)などの格闘ゲームで最も効率よく勝つ方法ばかり考え、最強キャラを使用していた。特長を最大限に発揮できるまでやり込み、対戦相手の癖も研究。フェイントを駆使するなど、勝つためには戦略が必要となる――受験勉強も効率。1浪しているが、東大対策を徹底し、東大1本で勝負した」という理由から、「ゲームをしていたから東大に入れた」と述べている。

 ただ、そうした勝利至上主義のプレースタイルは、観客にとって面白味に欠けるらしく、「IQプレーヤー」「アイス・エイジ(寒いやつ)」といったあだ名がつけられてしまったとか。しかし、「目的を決めたら、最も効率的にそこを目指す」という繰り返しではプレーにも幅が出ず、あっという間に真似されてしまうため、最近はプレースタイルを変更。これは、たびたび起こるルール変更を見越し、最強キャラを選ばすに、どうやったら最強キャラを倒せるかを考え抜いたスタイルで試合を魅了する、天才ゲーマーにならってのことだそう。ゲームを通じ、ときどが辿り着いたのは「論理は結局、情熱には勝てない」ということだったようだ。

 このときどの発言には、ゲームを愛するネット民からも「ときどさん、素晴らしい」「ときどが仕上がってる」「ときどさんを崇めろ」「好きなことをして飯が食えるなら最高の人生だな。『将来どうするの?』とか言ってくる連中には『今の自分が幸せなのか』と言いたくなるわ」「格ゲー以外のゲームでもプロになれそう」「ゲームじゃないところで魅せれるのは、こいつだけ」などの賛辞が送られている。

 ところが一方で、「ガチのエリートなのにもったいないわ」「大学でのことを就活ですら全く活かせてないじゃん。東大出である必要性がない」「論理どうこういう前に進む道間違えてるだろ。東大まで出て仕事が格ゲープロじゃ、学歴が泣いてるぜ?」「30すぎても受験勉強の話かよ」「プロゲーマーって本職なんだろうけど、半分道楽でもあるでしょ。実家が裕福だからタレントやって、辞めてもダメージない感じ。腐っても東大卒だし、塾講師とか色々選択肢あるしね」などのいちゃもんや、1浪していることに対し、「浪人したんだろ?」「ゲームしてなかったら現役で入れたろ」「現役で通ってから言えや」「1浪していいなら俺でも東大入れるわ」という妬みの声も、おそらく偏差値でもゲームでもときどに勝てない層から上がっているようだ。

 今回アップされた記事について、ときど(@tokidoki77)は「こちらで受験生へのメッセージを載せていただいております。受験まであと少し、マイペースで頑張ってください!」とつぶやいている。受験生でもない人のやっかみが、ときどの心に響くことはないだろう。これからも“日本のタイガー・ウッズ”として、世界に挑み続けてほしい。

 最後に、“ときど”という不思議な名だが、こちらは『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(SNK)シリーズに登場する八神庵(やがみ・いおり)の「“と”んで、“キ”ックからの、“ど”うしたぁ!」からいただいた名となる。

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