使ってもいいの?悪いの?
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職場などの公式な場で、敬語を使うのは当然のマナー。目上の人に対して、同僚や友人のように話しかけるのは失礼なこと。…そう分かっていても、TPOに合わせた言葉の使い分けはたいへん難しく、なかなかうまくいかないものです。たとえば、「お疲れ様」は目上の人に対して使っていい言葉でしょうか?筆者はマナー研修を受けた際、「ご苦労様です」は目下の人に対して使う言葉。目上の人に対しては「お疲れ様です」が正しいと習いました。しかし反対に、目上に対してお疲れ様と言うのは失礼だとする意見もあるようです。う~ん…どっちが正解なんだろう。この記事では、そんなややこしい表現「お疲れ様」について解説します。

■ 「お疲れ様」は目上の人に使ってもいいの?悪いの?

◎ 使っていいと思っている人の方が圧倒的に多い!

「大辞林 第三版」の解説によれば、「お疲れ様」「ご苦労様」はともに相手をねぎらうときに使用する表現。「ご苦労様」は目上の人に言うと失礼になるのに対し、「お疲れ様」は目上や同輩などさまざまな相手に対して使えるとしています。文化庁が日本人の敬語意識などを調べるために行った2005年度の調査では、約70%もの人が、仕事後に目上の人に対して「お疲れ様」と言っています。もはや常識になっていると言っても、過言ではないでしょう。

◎ そもそも目上の人間をねぎらうことがおかしい!?

本来、「お疲れ様」は目上の人に対して使う言葉ではない、という意見を持っているのは、タレントのタモリさん。2015年7月26日に放送されたTV番組「ヨルタモリ」(フジテレビ系列)で「誰にでも『お疲れ様です』とあいさつする子役が増えていて、違和感を感じる」と苦言を呈しました。タモリさんが指摘したのは、そもそもねぎらうこと自体が目上から目下の人に対して行うものだということ。言葉づかいではなく、ねぎらいという行為自体が不適切なんだそう。言語学者の金田一秀穂さんもまた、同様の考えを主張しています。

「お疲れ様」は現在、大学生でも使うようになっていて、若い世代のあいだではさまざまな場面で汎用的に使える表現のように認識されています。立ち去るときだけでなく、「こんにちは」「おはようございます」のように出会った際に使う人も。おそらくどんな場面、相手にも使える挨拶のようなものとして理解しているのではないでしょうか。しかし、ねぎらいは本来、力のある立場の人間が行う行為。中高年の方の中には、目下の人から「お疲れ様」と言われると、違和感や不快感を感じてしまう方もいるようです。

■ マナー的には目上の人に対して使っても問題ないはずだけど…?

今や職場や学校で広く使われている「お疲れ様」という表現。目上の人に対して使って非常識、マナー違反と叱られる可能性は低いと思われますが、おかしさを感じている人がいないわけではありません。心配なときは、ねぎらいのニュアンスを持たない「こんにちは」「お先に失礼します」を使用してみてはいかがでしょうか。相手に対する気づかいは、普段の振る舞いや言葉づかいでも伝えられるはずです。

(著:nanapiユーザー・マッハ 編集:nanapi編集部)

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