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TOCANA

 よくアニメや映画で見かける空飛ぶヒーロー、重力を無視してスイスイ空を飛び回る姿は誰もが憧れたことがあるハズ。「DailyMail」が報じるところによれば、現代の最新技術によって人間が重力を自由自在にコントロールできるようになる画期的なコンセプトが発表されたという。長年、超能力のように言われてきた重力操作が実現する時がついにやってきたのだ!

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■一般相対性理論をも脅かす型破りな理論

 人間の意図によってコントロールできる人工の重力場を作るなんて科学者が真面目な顔していえば、SF小説を読みすぎたのかとまともに取り合ってもらえなかっただろう、少なくとも今までの常識で言えば。ところが、今一人の研究者がそれを現実のものにしようとしているのだ。

 ベルギー、ナミュール大学のアンドレ・フースファ教授は、科学誌「Physical Review D」において論文を掲載し、人工的に重力を制御することができる画期的な方法を提案し、それが現在の技術によって十分可能だという事を数学的に証明してみせた。現地時間の1月8日、フースファ教授は同大学のニュースページにて、より積極的にこの研究に参加してくれる新しい人材の募集を発表している。


■アインシュタインへの挑戦状!?

 しかし、もし型破りともいえるこの提案が発展を続ければ、物理学を一変させ、さらにはアインシュタインの一般相対性理論をも揺るがす事態となりうる。現在科学者たちは一般相対性理論を踏まえ、フースファ教授の提案とは逆に、重力場は惑星、彗星、小惑星などといった巨大な質量を持つ物体によって作られるものであり、我々は重力に対して「受動的」な存在だと捉えている。ゆえにその重力場を我々の力によって変化させることは理論的にできないとしているのだ。

 フースファ教授はこの「受動的」な立ち位置に疑問を感じ、十分に制御された磁場から重力場を自由自在に操り、この磁場がどのようにして時空を曲げるのか観察してみようと思い立ったのだという。これはいわばアインシュタインへの挑戦状でもある。

 フースファ教授は、「もし家のガレージに重力場を作れたら、わざわざ宇宙まで行って研究しなくてすむんだ。今までそれを誰もしなかったというというだけの話さ」と意気揚々。フースファ教授は、このデバイスによって磁場や時空の研究は飛躍的な進歩を遂げ、今まで多くの部分が謎に包まれていた「なぜ重力が光を曲げるのか」といった課題も解明できると語っている。さらには今までアインシュタインの一般相対性理論が正しかったのかどうか、理論上だけでなく実際の実験によってその真偽が判明することになるのだ。


■超電導体コイルの磁場で重力場をコントロール

 論文によれば、このデバイスを現実に作るにあたって、CERN(欧州原子核研究機構)やITER(国際熱核融合実験炉)で使用されているのと同等の能力を持つ装置が必要になるとしている。それだけにこの実験には大規模な資源と費用を要することになる。フースファ教授が証明したのはあくまで数式上のはなしだが、任意の大きな定常電流を持つ電流ループと円筒形に線を螺旋状に巻いたコイルであるソレノイドの周囲に存在する湾曲した時空から、数式的に重力操作の可能性を示している。つまるところ教授の論文を簡単にいえば、非常に強力な超電導体コイルを用いて自由自在に操れる重力場を生み出すことができるというわけだ。

 仮にもしこの実験が成功すれば、確実に物理学の大きな前進となるのは間違いない。他の三つの基本相互作用(電磁場、強い力、弱い力)と同様に「重力相互作用」を人工的に作り出すことができるようになり、それは重力を新たな時代へと導くことを意味する。そしてゆくゆくは、重力が新しい産業や工業とリンクしていくことだろう。

 いまだ人類が夢にもみなかったことが次々と実現されることになる。これまでこのような科学の進歩はSFの夢物語だったが、例えば重力波を使った通信分野が確立されれば未だ予知できない技術が次々とうまれるかもしれない。世界の反対側に衛星や地上の中継を通すことなく重力波を用いた「電話」で話せるようになるかもしれない。

 「最近の研究者の多くは、その概念を理解することに専念し、どういうわけかその概念自体を疑問視することに疎かになっている」とフースファ教授が語るとおり、今はまだ夢物語のような理論でも科学の進歩はいつの時代でも疑うこととともに発展してきた。現在では科学に欠かせない特殊相対理論も発表当時はその斬新かつ難解すぎる理論に、受け入れらなかった。アインシュタインの発見とてたかが1世紀前の話である。今後どのような未来を見ることが出来るのか非常に楽しみだ。

(アナザー茂)


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