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TOCANA

 毎年お正月を迎えるとテレビ番組の合間に全国各地の有名神社のコマーシャルが放送されている。これを見ることでお正月気分を味わう人や初詣の行き先を決める人も多いのではないだろうか。

 しかし、業界関係者に話を聞く中で、この神社コマーシャルに関して変化が起こっているとの話が出てきた。一体、何が起こっているのか。

「お正月の風物詩とも言える神社コマーシャルですが、近年の“自主規制”がここにも降りかかっているんです」(テレビ局関係者)

 自主規制が厳しくなり、様々な制約の中でテレビ番組が作られている話はよく聞くが、神社コマーシャルの規制とは一体どういうことか。

「神社に初詣に行けば当然ながら誰もが願い事をしますが、願ったからといって必ずしもかなうわけではないことくらい、誰だってわかっているはずなんですが…。最近は神社のコマーシャルを放送するとテレビ局にクレームがくることがあるんです」(同)

 そのクレームとはどのような内容なのか。

「圧倒的に多いのは『あの神社は願いが叶わない。だから詐欺CMを流すのをやめろ』というタイプの内容です。CMでは何も『願いが叶います』とは明言しておらず、あくまでも神社をアピールするだけの内容なので文句をいわれる筋合いはありませんし、百歩譲って文句を言うなら神社にいうべきなんですが、なぜかテレビ局にクレームがくるんです」(同)

 神社にクレームを入れるのもおかしな話だが、たしかにテレビ局へのクレームとなると、なおさら尚更おかしい。だが、このようなクレームが増えてきており、テレビ局側では規制する声もあがっているという。

「テレビ局にとって神社も大切なスポンサーですから、CMを流さないという選択肢はありません。しかし、クレーム対策のためにテロップで『ご利益の保証はありません』などと入れることが話し合われているんです。通販番組などで『個人の感想です』などと入れているのと同じように、逃げ道を用意しようという考え方です」(同)

 規制の話がここまできているとは驚きだ。だが、それだけ多くのクレームがテレビ局にきているということだろう。これではテレビ局に同情せざるをえない。だが、この関係者自身は寂しさを感じているらしい。


「怒りを通り越して同じ日本人として情けなくなりますよね。そんなことまでいわないとわからないのか、と。イタズラ気分やストレス解消で電話してきている人もいるのでしょうが、本気でクレームを入れてくる人もいるので、日本人の民度はそこまで落ちているのかと思うと情けないですよ。そのうち、ドラマの中でも『この人は実際には刑事ではなく役者です』とテロップを入れる時代がくるんじゃないかと同僚と話しているほどです」(同)

 そもそも神社で願い事がかなわないからといって、クレームを入れるような人間の願い事は神様もかなえたくないだろう。どうか、これ以上の規制が進まないように観る側が自制してほしいものだ。
(文=吉沢ひかる)

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