季節の風物詩として定着した「恵方巻き」に賛否両論が…
デイリーニュースオンライン

 2月3日の「節分」の夜に毎年の縁起が良いとされる方角(2016年は南南東)を向いて巻ずしを頬張る「恵方巻き」。すっかり季節の風物詩として定着しているが、商業的な側面が強いことや由来が破廉恥であるとの説があるために「反対」を表明する人々も少なくない。ネット上では「恵方巻き撲滅」を掲げて活動するユーザーたちもおり、賛否両論を巻き起こしている。

■古くからの伝統? ただのセクハラ遊び?

 元来は関西地方を中心とする伝統的風習だったという恵方巻き。近年は全国的に大々的に売り出され、特にコンビニは店内にデカデカと予約受付のチラシを貼ったりノボリを立てたりと異常なほどの「恵方巻き推し」を展開している。

 しかし、古くからの伝統だったというのにコンビニが売り出すまで「聞いたこともない」という人が大半だった。

 その由来は諸説あり、最も知られているのが江戸時代末期に関西の商人たちが商売繁盛と厄除けを祈願する風習として始めたという説。この風習は戦後に廃れてしまったが、1970年代に大阪の海苔問屋組合と寿司店が協力して「幸運巻ずし」として販売促進キャンペーンに乗り出したことをきっかけに復活した。

 それでも一部で行われている程度の風習だったが、決定打になったのは大手コンビニ「セブンイレブン」の存在。1990年代に新たな季節イベントとして着目し、恵方巻きを全国的に売り出すようになった。これにコンビニ他社が追随したことで定着したとされている。

 由来に諸説あると前述したが、数年前からネット上で話題になっているのが「セクハラ起源説」だ。

 昭和初期、大阪の旦那衆の間で若い芸妓に太巻きを頬張らせる「お大尽遊び」が流行っていたのが起源との説があり、恵方巻を男性器に見立てたセクハラだったという。特に少女くらいの年齢の初々しい芸妓がノドに詰まらせて苦しんでいるのを見るのが旦那衆の“楽しみ”だったというのだから、本当ならかなり卑猥で下衆な行為だろう。

 あくまで諸説あるなかの一つではあるが、実際に寿司店が芸妓から恵方巻きの存在を教わったというエピソードが伝わっていたり、大正時代から大阪の花街では「旦那さんのモノに見立てて太巻きを食べる」という風習があったとされ、それなりの信ぴょう性はあるようだ。

■「恵方巻きを撲滅しろ」と激昂するネットユーザーも

 この商業イベント感とセクハラ起源を嫌悪するネットユーザーが少なからずおり、以下のような批判が巻き起こっている。

「下品で卑猥!セクハラ恵方巻は撲滅するべき」
「セクハラでしかない恵方巻が日本の伝統文化だと外国に勘違いされたらイヤだ」
「伝統でも何でもない。広告代理店がつくった流行に踊らされたくないよ」
「ただの業界の陰謀で何のありがたみもない。こんなのに乗せられる人間はバカ」

 その一方で「土用の丑の日だって同じ」「経済が回ってコミュニケーションにも役立つならいいでしょ」「批判してる人は宣伝とかキャンペーンが理解できないんだろ」といった意見も発生。賛否両論の状態になっている。

「現在は伝統よりも販売促進キャンペーンの意味合いが強い。近年に復活したのは1〜2月期がコンビニの売上が落ち込む閑散期にあたるため、バレンタインに続く2月の定番イベントにしたいという思惑があったから。特に大手広告代理店が普及に乗り出してから一気に広まった。発祥が古いのは間違いないんでしょうが、あくまで商業イベントですね。ただ、土用の丑の日のようにキャンペーンで風習を作り出すこと自体が日本の伝統文化といえるかもしれません」(広告業界関係者)

 結局、流行に乗っかるかどうかは個人の判断。とはいえ、これだけテレビやコンビニ店頭などで「伝統」として大きく扱われていると不快感を抱く人は多く、今後も物議を醸しそうだ。

佐藤勇馬(さとうゆうま)個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。歌舞伎町や新大久保をホームグラウンドに飲み歩くのが唯一の楽しみ
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