海外の知られざるバレンタイン事情
nanapi

バレンタインデーは女性から男性に愛を告白する日。好きな人にチョコレートを贈る日。好きな人や彼氏彼女がいる人にとってはドキドキワクワクな日ですが、バレンタインデーがこんなに平和なのも日本が宗教的に寛容で平和な国だから。海外ではバレンタインデーを祝うことがシャレにならない場合もあるようですよ。特にバレンタインデー反対勢力が強いのがイスラム圏。権力者が「バレンタインデーを祝うものは死刑」と発言したり、その他いろいろな規制があったり……。バレンタインデーが浸透しきった国の私たちから見れば、生きにくい世界のようにも思えます。なぜイスラム圏ではこんなにもバレンタインデーが規制されるのでしょうか?その理由とイスラム圏でのバレンタインの現状をまとめてみました。

■ そもそも、なぜイスラム圏ではバレンタインが規制されているの?

イスラム教では小学生以上の男女の同席は固く禁じられているためです。男性が女性の顔を正面から見ることができるのも、その女性と婚約が成立してからという徹底ぶり。つまり、公共の場での愛情表現も禁止されています。最近では西洋の文化流入に伴い、バレンタインを解禁してきた国もあるようです。しかし依然として保守的なバレンタイン反対派も多いため、賛成派と反対派がぶつかって乱闘が起きることも。

■ サウジアラビアのバレンタイン

イスラム教最大の聖地メッカがあることで有名なサウジアラビア。当然他のイスラム圏よりもバレンタインデーに対する許容度は低いようです。

◎ 宗教警察が出動!

サウジアラビアでは、バレンタインの時期に店頭にチョコレートや赤いバラが出ていることはありません。なぜなら、宗教警察が見張っているから。バレンタインチックなものを置いていることがバレると、注意を受けることになります。宗教警察の1人は「バレンタインを祝ったら死刑」という発言もしています。

◎ 宗教警察って?

宗教警察とは、イスラム教で悪徳とされていることを発見すると指導、教育することを目的とした組織です。正式名称を「勧善懲悪委員会」といい、アラビア語では「ムタワ」です。バレンタインの取り締まりの他にも、ペットのイヌ、ネコを販売することを禁止したり、女性をナンパした男性を見つけたら警察に通報したりしているようです。

◎ こっそりやってる人もいるらしい!

そんな状況でも、実はやりたい人はこっそりやっているようです。愛って障害があればあるほど燃えるものなんですよね。サウジアラビアののリベラル派カップルは自宅とか人気の少ない街角とかで燃え上がっているのかもしれません。

■ パキスタンでのバレンタイン

◎ ムシャラフ大統領が解禁

パキスタンのムシャラフ大統領は革新的な政治家として知られています。自由文化の発展を加速するためバレンタインデーやクリスマスのお祝いを解禁。若者や長老たちから支持されました。

◎ 学生同士の乱闘が発生

法律の面では解禁されたものの、バレンタインデー当日に賛成派と反対派の学生が衝突。結果、石や棒きれを武器に両派の乱闘が勃発。放火騒ぎも起こったようで、警察が出動する自体にまで発展したようです。

◎ それでも特に規制はされない

チョコレートやプレゼントを売ったり買ったりすることは規制されないようで、カップルはバレンタインデーになると一緒に買物に行ったりするのだとか。しかしそれも都市の話で、地方ではあまりバレンタインデーは浸透していないようです。

■ インドネシアのバレンタイン

インドネシアは8割程度の国民がイスラム教を信仰。しかし国教をイスラム教としているわけではなく、信教の自由が法律で認められています。

◎ バレンタインデーを祝うこと自体はOK

キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教などさまざまな宗教が信仰されているインドネシアは、バレンタインを祝う事自体はOKとみなされているようです。日本では女性から男性にチョコレートを贈るのが定番ですが、インドネシアでは男女どちらからでも贈り物をするそうです。

◎ チョコと一緒に○○を贈って問題に

そんなインドネシアですが、最近は若者の間でチョコレートと一緒にコンドームを贈るのが流行っているのだとか。これに反発したのがイスラム教の関係者達。イスラム教法学者が「悪しき習慣」と呼んだり、イスラム教除災団体がバレンタインデーに反対するデモを開催したりしたようです。

◎ 特に暴動とかは起こっていないようだ

デモは起こったようですが、それに乗じた暴動などは特に起こっていないもよう。アジア系など外国人も多いのでわりと寛容であるようです。インドネシアの人々はムスリムの視線を気にしながらも、うまくやっているのかもしれません。

■ マレーシアのバレンタイン

◎ バレンタインデー禁止キャンペーンを実施

マレーシアのセランゴール州では、ムフティ(イスラム教宗教指導者)局により「イスラム教徒の若者にバレンタイン・デーを祝うことを禁止する」というキャンペーンが実施されました。ムフティとは、イスラム法の解釈と適用に関し、意見を述べることができる宗教指導者のこと。

◎ バレンタインデー禁止のチラシ作成、配布

そのキャンペーンの一環として、同局は「バレンタインデーのお祝いには参加するな」という内容のチラシを作成。現地の中学校の生徒達に配布したとのことです。

◎ 中学生「は?知ってるし」

チラシに驚いた生徒もいた一方、「冷ややかな反応」を示した生徒も多かったのだとか。中学生といえば異性への関心が高い時期なので反発するのかな?と思いきや、わりとクールな視線なんですね。

■ 宗教的な問題は根が深い

イスラム教では男女間の恋愛は禁止されているようなものなので、若者にとっては辛い部分があるのかもしれません。時間はかかるでしょうが、バレンタインデー賛成派も反対派も共存していけるような、寛容な雰囲気が広がっていくといいですね。

(著:nanapiユーザー・rinko 編集:nanapi編集部)

全文を表示