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少子化による人手不足が深刻化する日本だが、その一方で働いていない若者もいる。内閣府の「2015年版子ども・若者白書」によると、15歳から34歳での若年無業者(いわゆる「ニート」)の数は56万人で、同世代人口の2.1%を占めている。

若年無業者の就職支援策を行うために、厚生労働省は「地域若者サポートセンター」(サポステ)を全国160カ所に設置しているが、その認知度は13.2%と低い。そこでサポステに関心を持ってもらえるようにとマンガのキャラを使ったWEBコンテンツを公開しているが、ネット民にはあまり評判がよくないようだ。

「ニートの良き伴走者でありたいと思いを込めた」というが

「キミはまだ本気出してないだけ。」と銘打たれてた特設サイトは、青野春秋さんのマンガ「俺はまだ本気出してないだけ」(小学館)の主人公・大黒シズオを主人公にしたもの。シズオは40代のフリーターで、サイトのターゲットに近い。

サイトではサポステの目的や業務内容を解説しており、青野さんのインタビューも掲載されている。そこに2月2日、ゲームコンテンツ「本気ミッション」が追加された。

「就業に励む若者たちの運気をアップさせてくれそうな面白ミッションカードを生成して楽しむ」コンテンツで、自分のニックネームを打ち込むと、「いい声で返事をする」「5億円の使い道を考える」などのミッションがランダムに3つ表示されるというものだ。

厚労省キャリア形成支援課は「様々な立場で賛否両論があり得ると思っていますが」としながらも、このようなサイトやコンテンツを作った趣旨をこう述べている。

「働きたいけど一歩が踏み出せない若者へ、『大黒シズオ』だからこそ、若者の応援団の立場で語ることができる自己承認のメッセージであり、サポステはその良き伴走者でありたいという思いを込めています」

しかしネットには称賛の声はあがらず、予想通り批判の声が噴出する事態となっている。WEBコンテンツの内容が、ニートのやる気を奮い起こすものではないというのだ。「税金使ってニート馬鹿にしてるな」という声すらある。

「ニートじゃなくてブラックを取り締まれ」

また、ニートになっているのは「本気」の問題ではないという声も目に付く。採用してくれる会社は稀だし、あったとしてもブラックな労働環境しか残っていないというのだ。

「厚労省は本気出さないの?ブラック根絶とかさ。それが仕事じゃないの?」
「まずは厚生省が率先してニートを採用するがいい。それでうまくいったら世の中の会社も考える」

いまは引きこもっている人たちも「大抵一度は社会に出てる」が、過酷な労働環境などに傷ついてニートになっていると指摘する人も。「原因があるから結果になるのに、原因を無視して結果だけ対処療法してもなんの意味もない」と不満を漏らしている。

実際にブラック企業で働いたために、ニートになってしまった人はいるようだ。2ちゃんねるに2月2日に立ったスレッド「ちょっとさ、社会人経験ありのニートきてくれん?」には、さまざまな人の体験談が寄せられている。

「ブラックで体壊して死にかけたから働くの怖いねん」
「もう長時間の労働は絶対にしたくない。体を壊すだけ」
「ノルマも数倍で達成してたのに解雇されたらどうしたらいいのかわからん」

ネットには、ニートを悪のように扱う前に「厚労省はニートじゃなくてブラックを取り締まれ。そしたら誰でも働くわ」という書き込みもみられる。

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