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TOCANA

 SFの世界では、自分の目が高性能のカメラであるという設定は、別段珍しいものでもなんでもない。構造を考えてみたら、デジカメもフィルムカメラも人間の目もさほど差はないもので、レンズがプラスチック製かガラス製かたんぱく質製かの違いと、受容体がセンサーかフィルムか網膜かの違いのようなものであるとも言える。今にそういう人が現れるだろうとは予想はされていたことかもしれないが、カナダのトロント在住の映像制作者のロブ・スペンス氏は、とうとう自分の片方の目をカメラに替えてしまったという。

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■義眼に超小型カメラを装備

 ニュースサイト「Oddity Central」のレポートによれば、43歳になるスペンス氏は、自身の右の眼窩に超小型カメラを内蔵した義眼を入れ、自分自身を「アイボーグ」と呼んでいるということである。

 気になるところではあるが、スペンス氏は自分の眼球を取り出して義眼と取り換えてしまったわけではなく、子供の頃にショットガンの取り扱いのミスで右目を失っていたということである。それから、普通の義眼を入れて生活をしていたわけであるが、SFやポップカルチャーの世界ではごく当たり前にカメラ式の義眼が登場しているということで、自身の義眼にカメラを組み込んでしまうことを思いついたのである。

 スペンス氏のカメラ内蔵型義眼の見かけは、普通の義眼とかわることがないとのことであるが、もちろん技術的にも医学的にもまだ、スペンス氏の視神経とつながっているわけではない。しかし、その義眼はプッシュボタンによって、電源のオンオフができ、マイクロ波を利用してスマホに映像や画像を送ることも可能だという。

 今の仕様では、撮影時間は最長で3分間程度で、本体が熱くなってしまうために外さなくてはならないそうであるが、撮影時間を1時間程度に延長するための改良をしているところであるという。自身の仕事がら「インタビューの撮影などの際に、かさばる機材を使わないで撮影できるメリットもある」と本人は言っている。実際に義手や義足のドキュメンタリーの撮影の際に使用したこともあるとのこと。

 プライバシー保護の観点でネガティブな反応を示す人もいるとは言っているが、義眼を使用している人にとっての新しい選択肢のひとつとして、これから先利用していく人もいるのではないかという予測はできる。またひとつ、SFのガジェットがリアルに降りてきたことになるのだろうか。義足のアスリートが健常者の記録を上回る記録を出したというニュースも聞かれる昨今、これからの代替人体の進化に注目していきたい。
(文=高夏五道)


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