1987年以来、東京電力のマスコットキャラクターを努めてきた「でんこちゃん」がコスト削減のため3月31日をもってリストラ(契約解除)されることになった。

 ここはでんこちゃんの“生みの親”にも話を聞かねばなるまい。 でんこちゃんの作者は、『南くんの恋人』などの代表作がある漫画家・内田春菊氏。本誌取材時、内田氏にはまだ打ち切りの話は伝わっていなかった。

「そうなんですか……。とても寂しい気持ちですね。昨夏、東電さんと広告代理店の担当の方がいらして、“しばらく自粛するが、もう一度(でんこちゃんの作画を)お願いする時が来た時のために、そのまま待っていてほしい”といわれました。個人的には更新は無理だろうな、とは思っていましたが……。

(キャラクター使用の)契約金額は私の口からはいえませんが、タレントさんを起用するより非常にリーズナブルだと聞いたことはあります」

 落胆した様子ながら、内田氏はでんこちゃんとの思い出を語ってくれた。

「最初はパンフレットに載せるための省エネキャラクターでした。おかげさまで評判は上々で、東電の方たちといろんなアイデアを出しながら、CM、グッズ、4コマ漫画と展開できた楽しいお仕事でした。昨年3月に4コマ漫画のアイデアを出した直後に震災があって、それ以降は描いていません」

 節電が必要な今だからこそ必要な存在ではないかと尋ねると、冷静にこう答える。

「そう、省エネを啓蒙するキャラクターですからね。私がこんなことをいうのも何ですが、東電さんには、“もしでんこが必要ならタダでも描くのでいってください”と早々にメールしていたんです。ただ、それは単純に私の気持ちであって、こういう時期に暢気な漫画の絵で嫌な気持ちになる方がいる以上は、出すべきではないと思います」

※週刊ポスト2012年3月9日号

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