フジ「日9枠」の復活は起爆剤になるか?
デイリーニュースオンライン

 かつて、ドラマのフジといわれたフジテレビだが、ドラマ枠を減少している。

 火曜9時のドラマ枠は、2015年3月で廃止。さらに、4月から水曜10時のドラマも現在放送中の『フラジャイル』をもって撤退となる。これにより、かつて栄華を誇ったフジのプライム帯のドラマ枠は月9、火10、木10の3つのみに。去年、初の赤字転落をしたフジにとって、制作費のかかるドラマが減っていくのは仕方のないことなのかもしれない。

 だが、そんな中、何を思ったのか、4月から日曜9時のドラマ枠を3年ぶりに復活させると発表。フジの日9といえば、阿部サダヲ(45)、芦田愛菜(11)、鈴木福(11)らが出演して、社会現象にもなった『マルモのおきて』(15.8%)を生み出した枠だ。ただし一方で、視聴率3%台と大低迷に終わった『家族のうた』など、悪夢も生み出した時間帯だ。

■脚本が野島伸司に期待の声も上がるが…

 今回3年ぶりの復活となるドラマ枠の初陣を飾るのは、『OUR HOUSE わたしのおうち(仮)』。2011年に『マルモのおきて』で主演をつとめた芦田と、NHK連続テレビ小説『マッサン』で外国人ヒロインとして話題を集めたシャーロット・ケイト・フォックス(30)のW主演。脚本は野島伸司という豪華な布陣だ。

 ドラマの内容は、新しく母親となったケイトに反発する芦田が、「新しい母親」を追い出すべくバトルを仕掛ける、ハートフルホームコメディー。

「芦田愛菜人気はまだ健在ですし、なんといっても脚本が野島伸司とあって『フジは嫌いだがこれだけは観る予定』と好意的な意見が寄せられ、前評判も高い。ただし、大きな不安要素が顔をのぞかせている」

 とはフジテレビ関係者だ。

 それは、放送時間が“日曜9時”ということのようだ。数々のドラマ枠を廃止して、あえて日曜9時枠を復活させたことは、「フジテレビの暴走」ではないか? と、別のテレビ関係者が語る。

「かつてフジテレビは、日曜9時のTBSのドラマ視聴者を奪うために『ドラマチック・サンデー』というドラマ枠を2010年10月に作りました。が、ヒット作と言えるのは『マルモのおきて』『早海さんと呼ばれる日』ぐらいで、視聴率獲得に苦戦。制作コストばかりがかかってしまった。そのため、2013年春の改編でドラマ枠を廃止して、予算が2分の1で済むバラエティに切り替えました。それがここにきてまさかの復活。水10からの移動と考えても、多くの疑問が残る改編です」

 さらに、この改編に対して、TV雑誌記者も首をかしげる。

「TBSの日9ドラマは、近年は『半沢直樹』(28.7%)、『下町ロケット』(18.5%)と他局の追随を許さないほど高視聴率を獲り、社会現象にまでなった。対してフジの『ドラマチック・サンデー』では11本ドラマを制作しましたが、ほとんどが10%割れ。平均視聴率でTBSに勝った作品は1本もありません。また、敵はTBSだけではありません。日曜9時は、『鉄腕DASH!』『世界の果てまでイッテQ!』の流れから15%前後の視聴率を誇る『行列のできる法律相談所』を放送する日本テレビが競っている時間帯です。なぜ勝負できると判断したのか、まったくもって不思議」

 フジの決断に、代理店関係者もあきれている。

「最近はフジの広告枠を買い切っても、低視聴率で広告主がつかず、赤字になった枠もあった。今回のような目玉商品なら期待できると思ったが、こんな時間帯にもってくるとは……。他の時間帯ならまだ商品価値は高かったのに、自ら下げている気がします。高い制作費をドブに捨てるようなこの改編を、なぜ強行したのか」

 フジの日9復活は勝算があるのか、それとも本当に単なる暴走として終わるのか。いずれにせよ今回の激戦区への殴り込みは、低迷を続けるフジのドラマの最後の賭けになるかもしれない。

(取材・文/タナカアツシ)

全文を表示