ウェイン・ワン監督、ビートたけし、西島秀俊を直撃!
Movie Walker

ビートたけしと西島秀俊が、名匠ウェイン・ワンがメガホンをとる『女が眠る時』(2月27日公開)で共演を果たした。現実と妄想、狂気が入り乱れるような展開の中、女性に翻弄される男たちを演じたたけしと西島。一体、彼らの女性観とはどんなものだろうか?

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スランプ気味の作家が、「初老の男が、若い美女の背中に日焼け止めクリームを塗っている」という異様な光景を目にしたことから、物語は動き出す。たけしは「単なる変態オヤジだなと思って。変態オヤジ役で選ばれたから、うれしくもあり、悲しくもあり」と初老の男・佐原役への抜擢に苦笑い。スランプ気味の作家・健二を演じた西島は、「作家が不思議なカップルを覗き見ている、エロティックなストーリーなのかなと思って台本を読んでいったら、だんだんサスペンスになっていく。非常に楽しく読みました」と、ぐいぐいと引き込まれるように台本を読んだという。

佐原は、奔放で小悪魔的魅力を持った若い美女・美樹に夢中になっている。一方の健二は、妻・綾との倦怠期を迎えている。美樹、綾という違ったタイプのヒロインが、男たちを翻弄するが、“女性”という存在にある種の恐ろしさを感じることはあるだろうか?するとたけしは、「西島くんは、結婚していないんだよなぁ」とポツリ。西島が「したんですよ」と答えると、「ああ、そうか!なんだ、いってくれれば止めたのに」とたけし節全開で、西島を笑わせる。

さらにたけしは、「かみさんはすごいですよ。女は恐ろしい。あらゆるものを持っているからね。あらゆる生き物は女で生まれて、すべての可能性はメスが持っていると、よくいわれるけれど。やっぱり、あらゆる可能性と要素を持っているのは、女性だと思う。それに男は翻弄されるんだよね」と女性観について持論を展開。続けて「今回に関していえば、我々は監督に翻弄されたわけだけれどね」と、めくるめくような世界を作り上げたワン監督の手腕にも驚くことしきりだ。

西島は「本作を観ても、女性に翻弄される男という図は見えますね」と口火を切り、「やっぱり女性に関しては、ぜんぜん男とは違う視点で物事を観ているなという気はします。こっちが必死にやっていることを、大したことだとは思っていないんだろうなと感じるときもあるし(笑)。男性は、女性にバッサリ切られたりするというイメージはありますね」と笑う。

4人の男女の関係性はゾクゾクするほどにスリリング。どこまでが現実でどこまでが妄想かなど、あらゆる解釈が観客に委ねられる知的な映画に仕上がった。たけしが、こんな面白い説を教えてくれた。「変な性癖のある、変なヤツには変わりないと思って演じていたんだけれど、いざ出来上がったものを観たら、解釈のしようがいくらでもあって。(劇中で)俺が西島くんの喉元にナイフをあてて、『脳は一瞬でストーリーを作る』っていうんだけれど、その言葉がキーな気がした。お笑いの世界ではスジフリっていうんだけれど、その言葉が前振りとして入っているんじゃないかと。ラストのワインバーのシーンで、二人の目がチラッと合う。あそこで作家が、一瞬にして作ったストーリーかもしれないなと思った」

すると西島も「観た人の数だけストーリーと解釈があって、その全てが正しい。観客のみなさんが観ることで映画が完成するという、本当の形だと思います」とにっこり。ワン監督は「日本の映画でも、ハリウッドの映画でもなんでもそうだけれど、私たちは『この映画はこういうことを考えて観なさい』と押し付けられているような気がするんだ。でも人間の脳というのは、とてもクリエイティブ。たけしさんがいったように、喉元に冷たい金属をあてられた一瞬で、人間の脳はものすごい想像力を発揮するもの。みなさんにも、ナイフをあてられたかのように、想像力を発揮してもらいたいよ。僕は毎朝起きるたびに、脳を閉じるのではなく、オープンでありたいと思っているんだ」と脳と心を刺激する作品を完成させて晴れやかな表情。ぜひ、豪華キャストが織り成す知的ゲームに、酔いしれてみてはいかがだろう。【取材・文/成田おり枝】

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