『ヨイトマケの唄』(キングレコード)
TOCANA

 昨年12月31日に放送された『第66回NHK紅白歌合戦』において美輪明宏の出演時に、犬や猫が突然吠え出すなどの“異常行動”を見せたとネット上で話題となっている。

 美輪さんは、午後11時過ぎに白組歌手として出演し、「ヨイトマケの唄」を披露した。同曲は、美輪さん作詞作曲による1966年のヒット曲。幼少期に肉体労働をしながら子どもを支えていた友人の母親をモデルとしたものだ。作中に「土方」などのフレーズが使われていたため、長らく放送禁止歌の扱いを受けていた。のちに泉谷しげるや桑田佳祐がカバーしたことでも知られる。

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 美輪さんは一昨年も出演し「愛の讃歌」を披露しているが、この時も、犬猫の異常行動が報告されている。この奇妙な現象は本当に起きるのだろうか。実際の紅白の録画映像を用いて、犬と猫を飼う人にそれぞれ協力をあおぎ、再現実験を試みた。条件は以下の通りである。

【1】動物に見せる映像はおよそ8分半。出演前の紹介シーン、美輪の出演シーン、次の出演者であるレベッカの紹介シーンの3つの要素で構成される。
【2】再生時間は実際の放送時間である11時過ぎに合わせる。
【3】日常生活と同じ状態で行う。


 実験前に飼い主に簡単なアンケートにも答えてもらった。ちなみに犬猫ともに室内飼いである。

【A】性別と年齢
【B】テレビに興味を示すことはある?
【C】特定の音に反応することはある?


■犬の場合
【A】メス。8歳。
【B】興味なさそう。
【C】スマホの一部アプリの着信音に吠えることがある。


■猫の場合
【A】メス。5歳。
【B】たまに興味を示す。気象予報士の指し棒にじゃれついたことがある。
【C】特定の音に反応することはない。


 さて、結果はどうだっただろうか。

 まず、犬の場合。

 特に反応を示すことはなく、なんと観ている途中で寝てしまった。美輪の出演映像は、真っ暗な空間にアカペラの声が響き、やがてスポットライトが当たり、暗闇にぼんやりと姿が浮かび上がり伴奏が始まる。前後の映像と比べればかなり暗いため、眠気を誘ったのかもしれない。

 8歳のメス犬は、人間なら50歳くらいの熟女である。暖房でうとうとしてしまったのか。あるいは、美輪の歌声が“子守唄”となってしまったのか。

 続いて猫の場合。

 こちらも犬に同じく、紹介部分と、美輪さんが登場後のアカペラ部分では無反応が続く。だが、伴奏が始まり、クライマックスに向かうにしたがい、のけぞるように体を動かし始めた。ガクガクと震える猫ちゃん。拒絶のポーズのようにも見える。何か見てはいけないものを見てしまったのか。

 期せずして犬と猫が対照的な反応を示すことになった。犬はリラックスし、猫はストレスを感じているように見える。

 美輪明宏の歌声は、人間が目をつぶりリラックスした状態で聴くと、脳が心地よさや癒やしを感じた時に出す“アルファ波”が観測されるという報告もある。動物に対しても何かしらの影響をおよぼしているのは確かだろう。人間だけでなく、動物の心までとらえてしまう美輪はやはり“妖怪”なのかもしれない。
(文=平田宏利)


※画像は、『ヨイトマケの唄』(キングレコード)

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