ヤマサキナビスコ消滅で俺たちが愛したリッツとオレオが失われる?
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製菓大手のヤマザキナビスコが「ナビスコ」ブランドのライセンス契約を終了し、9月1日から社名をヤマザキビスケットと変更する。

これに伴い、同社はクラッカーの「リッツ」と「プレミアム」、サンドクッキー「オレオ」、チョコチップクッキー「チップスアホイ」の製造を8月末で終了。そしてチップスアホイ以外の3銘柄は9月から、モンデリーズ・ジャパンという会社が取り扱うことになった。

ヤマザキナビスコは1970年、ナビスコ製品を日本で展開すべく山崎製パン、米ナビスコ社、総合商社の日綿實業(現・双日)の合弁会社として設立され、88年には山崎製パンがナビスコ社の持ち株を買い取り、子会社化した。

現在はナビスコブランド銘柄と、「チップスター」など自社で独自開発した銘柄の製造・販売を行なっている。

46年にわたり、日本にナビスコ製品を普及させてきたヤマザキナビスコ。そんな同社が、なぜ自らのアイデンティティともいえるナビスコブランドとの関係を終わらせてしまうのか? 食品業界紙記者のA氏が教えてくれた。

「誤解されがちなのですが、そもそも同社はアメリカの『ナビスコ社』という企業を相手に、長年ライセンス契約を結んできたわけではないのです。確かにヤマザキナビスコの設立当初は米ナビスコ社との契約でした。

しかしその後、ナビスコ社が他企業と合併し、さらにまた別の企業に買収されたりと、ナビスコブランドの保有社が次々に移り、そのたびごとに契約が継続されてきたのです。そして現在、ナビスコブランドは、界的な食品・飲料会社である米モンデリーズ・インターナショナル社(モンデリーズ本社)が保有しています」

9月から日本でのナビスコ製品ビジネスを引き継ぐモンデリーズ・ジャパンは、そのモンデリーズ本社の日本法人なのである。

「モンデリーズ・ジャパンは、ガムの『クロレッツ』やキャンディの『キシリクリスタル』を日本での売れ筋商品に育て上げてきました。モンデリーズ本社としては、他社にライセンス供与してナビスコ製品を作らせるより、実績のある自分たちの現地法人が直接扱ったほうが大きな利益を得られると考え、ヤマザキナビスコに契約終了を通告したのです。世界展開している外資系企業はそのあたりとてもドライですからね」(A氏)

ブランドを保有しているのはモンデリーズ本社の側だから、ヤマザキナビスコとしては通告を受け入れざるを得ない。ただ、契約終了交渉時、モンデリーズ本社にとってはある“誤算”が生じている。

「モンデリーズ本社は当初、9月からナビスコ製品のマーケティングと販売はモンデリーズ・ジャパンに移管するものの、製造はヤマザキナビスコが継続して請け負ってほしいと打診していたのです。

しかしヤマザキナビスコとすれば、事業の大きな柱だったナビスコブランドを持っていかれた上、製造だけを下請けせよなどという話を受け入れられるはずもなく、きっぱり断りました。彼らにも製菓大手としてのプライドがありますからね。日本の業界事情に疎(うと)いモンデリーズ本社は、そんな反発を予想していなかったのでしょう。

新体制でのナビスコ製品製造をどうするか、つまり日本のどの会社に製造を委託するのかについて、モンデリーズ・ジャパン周辺からはまだ何も聞こえてきません。おそらくいまだに最終的な製造手段を決定できていないのだと思います」(A氏)

いずれにせよ、9月以降はヤマザキナビスコの工場で「リッツ」や「オレオ」は製造されない。そうなると気になるのは、肝心の味が変わってしまう可能性だ。

果たして、長年愛された製品はどうなってしまうのか? 発売中の『週刊プレイボーイ』11号では、この愛好者にとって切実な問題について詳しく検証しているのでそちらもお読みいただきたい。

■週刊プレイボーイ11号(2月29日発売)「ヤマザキナビスコ消滅でリッツとオレオの味が変わっちゃう!?」より

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