「Thinkstock」より
Business Journal

 2016年の芸能界はビッグニュースが相次いでいる。好感度タレント・ベッキーの不倫報道に続き、SMAPの解散騒動、2月には元プロ野球選手の清原和博容疑者が覚せい剤の所持と使用により逮捕された。これほど大きなニュースが連鎖することも珍しいといえる。

 しかし、その予兆は昨年暮れからあったのかもしれない。昨年12月26日、元キングオブコメディの高橋健一容疑者が、都内の高校に忍び込み女子高生の制服を盗んだなどとして、窃盗と建造物侵入容疑で逮捕された。捜査が進み、高橋容疑者は20年間にわたって制服を盗み続けていたことが判明した。

●100万円以上に高騰する女子高生の制服

 人それぞれ、いろいろな性癖があるだろうが、高橋容疑者のようなJK(女子高生)制服マニアは、ある意味で市民権を持っているといえる。1990年代、女子学生の使い古しの制服や体操着、下着を販売するブルセラショップが全国に広がった。

 それぞれの店が商売として成立するだけの市場があったということは、それだけ多くのマニアがいて、市民権を得ていたということだろう。しかし、近年では、そのブルセラショップも、いわゆる児童ポルノ法の影響もあって商売がしづらくなり、普通のアダルトショップやコスプレショップに転換するケースも多い。

 しかし、店が減ったからといって、マニアが性癖を押さえられるというわけではない。むしろ、希少性により市場価格がさらに高まることになるが、その高騰ぶりがハンパではない。都内の某老舗有名女子校の制服は、未使用で一式揃えば100万円でも流通するという。なぜ、そこまで高騰するのだろうか。

●90年代のデザイナー制服ブームが一因に

 理由のひとつは、やはり取り扱う店が減ったことで、全体的に商品が減ったことだ。しかし、それ以上に大きいのが、私立高校を中心とした制服のリニューアルにある。

 ここ20年ほど、「デザイナー制服」と銘打ち、女子生徒の制服を中心に、よりおしゃれなデザインに変更されている。かわいい制服を導入することで入学希望者が増えるという効果もあり、各校は「我先に」と制服のリニューアルを行ったのだ。

 制服が新しくなったということは、以前の制服は絶版モデルになったということだ。基本的に再販はないため、絶版制服の希少価値は高まる。それらが一斉に現れたのだから、市場価格が上がるのは当然といえる。

 ましてや、もともとマニアに人気だった制服が絶版となれば、価格はうなぎ上りになる。仮に、未使用品などが発見されれば、その価格は想像を絶するものになるだろう。

●学校側はブルセラ店対策で制服を回収

 異常なほど高騰するプレミア制服が生まれた背景には、もうひとつ大きな理由がある。実は、有名名門女子校の制服が市場に出回らなくなっているのだ。その理由は、一時ほどのブームではないものの、ブルセラショップの存在にある。

 名門校としては、自校の制服がブルセラショップに並ぶことを快く思わない。そこで、制服の管理を始める学校が増えているのだ。そのシステムは学校によってさまざまだが、その一例を紹介しよう。

 まず、入学した生徒が制服を何着買ったのかを管理し、それ相応の理由がない限りは制服の追加購入を認めない。そして、卒業時には学校が制服を回収する。後輩にお古を譲る、などということもできなくなったのだ。

 生徒がけっこうな金額をはたいて買った制服を、学校が一方的に回収する。何やらひどい話のような気もするが、学校側にしてみれば、そこまで必死になっているということだろう。

 こうした動きによって、名門校の制服が市場から消え、一部の制服の高騰化が進んだ。中には、名門校の制服の精巧なレプリカが市場に出回っているが、マニアになればなるほど本物志向のため、それほど売れていないそうだ。

 しかしながら、本物がとても手の届かないような価格となれば、レプリカで妥協したくなる気持ちもわからないでもない。フェラーリのディーノやランチア・ストラトス、トヨタ2000GTは好きだが、市場価格は億単位のため、せめてレプリカを手に入れたい――そんなカーマニアのような感覚なのかもしれない。
(文=星野憲由)

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