キャリコネ

上場企業の役員という肩書きを持つ、人気芸人の厚切りジェイソンさん。ツイッターで人生相談に乗るだけでなく、最近はリクルートHDのウェブサイトで仕事論を披露したり、堀江貴文さんと対談したりするなど、すっかりキャリア系の論客になっている。

3月2日の「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された糸井重里さんとの対談「とにかく出世がしたかった」で、ジェイソンさんは日本人の就職観について語った。アメリカでは「こんな仕事をしたい」との思いで会社に入るのに、日本では「この会社に勤めたい」という発想で就職をするのが不思議でたまらないようだ。

「富士通とかNTTで働きたいです」に疑問呈する

ジェイソンさんはアメリカにいたとき、「とにかく出世したかった」と語る。その想いで仕事に打ち込み、最初の会社では24歳にして日本法人の支社長にまでなった。

その後、「出世したはいいけれど、なにかが足りなかった」と考え、芸人養成講座に通ったり、知名度の低い現在の会社に転職したりすることに。今の会社には「アメリカや日本以外の他の国で成功させる」という役割で入社したのだという。

目的意識を持って突き進んできたジェイソンさんは、仕事の内容より企業の知名度で就職を決める日本人がいることが腑に落ちないようだ。アメリカであれば、やりたい仕事に関する勉強をし、入社後はすぐその業務に携わるが、日本は「富士通とかNTTで働きたいです」と就職活動をすることに、こう疑問を呈した。

「だけどそうやって入って、何をするんだろう。『社名だけあればうれしいです』みたいな話でしょ?」

大学で4年間勉強をしてきたのに「お茶を出したり、コーヒーを入れたり、電話を取ったり」と本来の業務と遠いことをやっているとし、「何をやってるんですか。すごいもったいない時間じゃないですか?」と強く否定した。

「入った時点でゴール」はおかしいと賛同する声もあるが

いまでも日本人の就職観は不思議で、「この会社に入れればそれでいいです。自分がやることはなんでもいいです」と聞くと、「ええーっ!それ、うれしいのか!?」と思うそうだ。この意見には、ネットユーザーから賛同する声が寄せられている。

「大学と同じく入った時点でゴール、そこで何をするかなんて気にしないというのが日本のおかしいところ」

その一方で「やりたいことができるベンチャーより、仕事がつまらなくても大手企業のほうが安定してるし」など「安定」をあげる声も少なくない。ディスコが2017年卒の就活生を対象に実施したアンケートでも、志望企業は「大手企業中心」(34.5%)と「業界トップの企業中心」(15.3%)で約半数を占めており、こんな理由が寄せられている。

「親が喜ぶようなところに就職したいから。安定したところがいいから」
「今後の結婚や出産といったライフイベントを考えると、大手企業の方が女性に優しい制度が充実していて福利厚生も手厚いと思うから」

仕事内容よりも、快適な生活や労働環境を優先したい人は、ジェイソンさんの指摘に対し「相も変わらず自分の価値観の押し付け」「『多様な価値観』ってのはあって当たり前だからなぁ」と冷ややかなコメントを残している。

糸井さんも「あなたはできたほうだから」とツッコミ

糸井さんも「アメリカの『常にみんなが競争してる状態』も、それはそれで辛くはないの?」と尋ねており、ジェイソンさんが、

「そこはたぶん、『仕事ができる人』は辛くない」

と答えると、「そうか、あなたはできたほうだから」と応じている。厳しい弱肉強食の世界は、弱者にとっては辛いもの。すべてのアメリカ人が、ジェイソンさんと同じ価値観を持っているわけではないのかもしれない。

あわせてよみたい:履歴書の「証明写真」のクオリティにこだわる就活生 努力すべきは、全然そこじゃない!

 

全文を表示