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大阪市営地下鉄の運転士の男性が「ヒゲ問題」で3月9日に訴えを起こしている。10年以上ヒゲを生やして働いていたこの男性は、ある日上司からヒゲを剃るよう強制された。「整えたものも含め、ヒゲ禁止」という大阪市交通局の内規によるものだ。

しかし男性は、これを拒否。「ヒゲ禁止は個人の自由の侵害で違憲」とその後もヒゲで出勤し続けた。男性はこれが原因で「人事考課で不当なマイナス評価を受けた」と主張。ボーナスも減額されたと怒り、市に評価の是正と慰謝料200万円を求めている。(文:みゆくらけん)

ボーナス減らされるくらいは甘受すべきなのか

ヒゲ男性の主張は、こうだ。

「手入れを怠ったり、乗客から苦情を言われたりしたこともない。ヒゲを生やすだけで身だしなみが悪いと言われるのは納得がいかない」

たかがヒゲ、されどヒゲ。男性にとって自分のヒゲは、とても大切なものなのだろう。「話し合いで解決したかった」と言うが、裁判沙汰になってしまった。

3月9日の「かんさい情報ネットten.」(読売テレビ)でこのニュースが取り上げられると、「ヒゲNG」派の増田英彦(ますだおかだ)は、こうコメントした。

「ルールで決まってるんでしょ? それでも生やすなら、ある程度のマイナスは犠牲にしてでも生やすという方が、男としてカッコイイのでは?」

要するに退職を勧奨されているわけでもなく、ボーナスを減らされる程度であれば、それを甘んじて受け入れてルール違反を貫けばいいという考えか。

同じくNG派の西村和彦は「運転士の方なので、個人の自由というより(乗客の命を預かっている)責任を感じていただきたい。そのために凛と(した姿を)していただきたい」と話していた。

街角アンケートでも8割がNG。他の電鉄も同じ

番組が30人に調査した街角取材では、OKが6人、NGが24人で「ヒゲ運転士はアカン」という意見が多数だった。アカン理由としては「清潔感がないからアカン」「社会人としてアカン」というものがあがっていた。

一方、OK派の人の意見では「汚らしくなければいい」というものがあった。ヒゲ好き筆者も「汚らしくなければいい」と思う。剛毛ヒゲの人が毎日ゴリゴリ剃っていると、肌が荒れて痛々しい。石橋貴明が演じていたキャラのように、口の周りが青く目立ってしまう人が伸ばしたがるのも分かる。そもそも、

「じゃあどこまでのヒゲが汚らしくないのか」

となると、個人個人の感じ方も仕上がりも違うから明確な線引きがしようがない。そこで「一切のヒゲ禁止」というルールができたのだろう。ちなみに他の電鉄会社・業種のヒゲに対する考えはこうだった。

阪急電鉄 ヒゲNG「規定はないが、社会人として当たり前」
某有名ホテル ヒゲNG「身だしなみ=オシャレではない」
大手タクシー会社 ヒゲNG「威圧感を与えるので」
教師(大阪市)ヒゲ△「禁止していないが、不快感を与えてはいけない」

「ヒゲは身体の一部。規則自体に問題」という指摘も

やはりヒゲはNGというところが多い。ネットでも「郷に入れば郷に従え。寺に入りゃ坊主にもするだろ。髭くらい剃れと言われりゃ剃れ」「組織には必ずルールがあるもの。 ルールに従えなければ、その組織を辞めるしかない。辞めて自由に生きてみろよ」といった厳しい声が多かった。

しかし、組織のルールは人間が決めるもの。今回の裁判をきっかけに、ひっくり返るかもしれない。これまでの組織は無難さだけを追求して、働く個人の権利を無用に抑圧しすぎてきた嫌いもある。「ヒゲOK」派の作家・若一光司も、こう言っていた。

「ヒゲというのは、自分の身体の一部。むしろこういう規則を作っていることが問題。多様な運転士、多様な公務員がいてもいい」

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