お金持ちになりたい…そんな漠然とした願いは誰もが持つもの。贅沢な暮らしを夢みる人がいる一方で、超高齢化社会が進む中、老後に少しでも余裕を残しておきたい、そんな切実な思いを持った人も多いだろう。
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 ところで「お金持ちになる」といえば、「稼げる仕事につく」「宝くじに当たる」「株で大儲けする」なんて方法が思い浮かぶが、一番オーソドックスなのは、やはり「貯金」。ところが、「お金を貯めていけば、お金持ちになれると思ったら大間違い。貯蓄があなたの人生を壊す」と警鐘をならす本があるらしい。一体どういうこと?!

 その本とは『デキない人のお金の使い方 デキる人のお金の使い方』(CCCメディアハウス)だ。著書は住宅メーカーの営業マンから独立して億万長者になった柴田博人氏と、IT企業の営業マンから独立して億万長者となった竹松祐紀氏。ビジネスパートナー同士という2人の実業家が自らの経験を通じて、「今あるお金で億万長者になる方法」を教えるというものだ。

「30歳から毎月10万円を貯金すれば3600万円になる。仮に60 歳で引退して月25万の生活費がかかるとすれば、貯金は72歳で底をつく」と著者。年金支給もままならないとなれば、貯金ではなく、賢い使い方をして増やしていかなければ豊かな生活ができないのは確かだろう。

 ならば問題はお金をどう賢く使うか。だが、その前に著者が強調するのは、まず「お金に対する考え方の根本を見直す必要がある」ということ。

 そもそもお金とは物々交換の取引を安定させるために生まれたもの。つまりお金の目的は「交換」にあり、交換させないと(=使わないと)お金本来の価値が発揮されないままになってしまう。その意味では、貯金でためこんだお金は、「死んだお金」と同じ。よく貯金は美徳といわれるが、それはお金の目的を無視した思い込みにすぎず、「やみくもにお金を貯めることは『悪』だととらえてもらいたい」と著者。

 かの渋沢栄一(連ドラの『あさが来た』にも登場した“日本資本主義の父”)にも「我々はお金を大切にし、正しく使うよう心がけなければならない」の言葉があり、どうやら漠然とお金を崇拝したり、お金を使わないでとっておいたりするのでは、お金持ちになる入り口にもたてないということらしい。

 さてリセットが完了したら、気になるのは賢い使い方。たとえばその方法のひとつに紹介されているのが、自分の使っているお金の目的は何か、常に「消費」「浪費」「投資」の3つに仕分けして把握する方法だ。なんでもお金持ちとふつうの人とでは、この3つのバランスが大きく違うらしく(ふつうの人が、消費:浪費:投資が6:3:1なら、お金持ちは2:1:7)、意識してお金持ちのバランスを見習って支出するクセをつければ、自然にお金持ちに近づくという。まあ、一気に億万長者になるのは難しくても、支出に自覚的になることは自然に無駄遣いの防止につながりそうだ。

 その他、詳しいノウハウはCD-ROM付きの本書を読んでもらうとして、共通するのは「お金に対して自覚的になり、使って生かす道を考える」という姿勢だろうか。金のなる木があるわけでもなし、実は地道にやらねばならないことばかりだが、意識を少し変えるだけでも見えてくる世界は違うのかもしれない。

 

文=荒井理恵

『デキない人のお金の使い方 デキる人のお金の使い方』(CCCメディアハウス)