■「音舞の調べ~越する時間と間~」

20世紀最大のピアニストと言われる故リヒテル演奏を現代のステージに降臨させる

2016年5月19日(木)東京藝術大学コンサートホール奏楽堂でヤマハが独自に開発する人工知能演奏システムベルリンフィルシャルーンアンサンブル、デザイナーのコシノジュンコ氏などが出演するクラシックコンサート「音舞の調べ~越する時間と間~」が東京藝術大学東京藝術大学COI拠点の催で行われた。

このコンサートでは20世紀最大のピアニストと言われ、ヤマハピアノ用していたスヴャトスラフ・リヒテル(1915-1997)の演奏を、現代における先端テクノロジーを用いリヒテルを再び舞台に降臨させるという世界で初の試みだという。

ゲストトークデザイナーのコシノジュンコ氏も登壇し、コンサート終盤では松下 功氏の現代音楽に乗せたコシノジュンコ氏プロデュースファッションショーも開かれるなど拍手采の大盛況で幕を閉じた。

和やメインカラーとしたファッションショーは大変魅的であったが、ここでは今後音楽界を揺るがすかもしれないヤマハ研究開発統括部が開発する人工知能演奏システム焦点を当てて書きたい。

人工知能とは?

人工知能と言えばまず名が挙がるのが、IBM社が開発する世界最大規模の人工知能である『ワトソン』や、一般的に身近な物ではスマートフォンに搭載された『Siri』など、こちらが問いかけたQに対し予めプログラムに組み込み機械学習させた中から最適な答えをリフレクションするというものが2016年現在で言うところの人工知能と言われている技術である。

それらを「言」や「テキスト」ではなく「音」で認識させているのが今回のヤマハ研究開発統括部が開発する「人工知能演奏システム」である。

絶対的判断ではなく相対的判断

通常は信号で制御する場合には絶対的な判断でなければならない。例えば通信プロトコルであるMIDI信号であれば「ド、ミ、ソ」が弾かれたらパッチ(音色)を切り替えると決めたら「ド、ファ、ソ」ではパッチは切り替わらない。しかしこの技術では相対的に判断しOK判定ができる。言ってる事はおかしいけど、言いたい事は解るよ!、、と言うところがまさにこの技術の凄さである。

音と音。音と映像はその両方が同時に制御可

音に対して音を合わせる事はもちろん、映像に対しても音で制御可である。

※判定に必要な音の素材ケーブルを機器に直接差すラインではなくマイクによる音声入力で可である。

ではベルリンフィルシャルーンアンサンブルの演奏音を基点として過去演奏サンプリングによって甦らせたリヒテルピアノ演奏プロジェクターで舞台床面に投影されたリヒテルの幻影が演奏者に合図を出すなど、そこに確かにリヒテルの音跡は存在した。

今後この技術は何に使われる事が予想されるか?

考えられるのは、以下のような用途だろう。

コンサート演出関連技術として生演奏に対し自動で音もしくは映像が流れる(演奏者1人でオーケストラを奏でる事が出来るなどコンサートでの用途は幅広い)
ピアノ楽器練習アプリケーションとして(ヤマハ公式ページでも紹介があるように弾きながらディスプレイに映る楽譜が自動で今どこを弾いているのかを示してくれるなど)
カラオケの追加機(自動でキーテンポ調整などが出来る)
環境音などを基点としてのサイネージ

音で言のビジュアライズなど今後更なる発展が望めそうな技術である。

ミュージシャンエンジニアプログラマーは是非本技術を試して新しい可性を広げてみて欲しい。

「音舞の調べ~越する時間と間~」

概要
日時:2016年5月19日(木) 19:00~(18:00開場)
会場:東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
催:東京藝術大学東京藝術大学COI拠点

<曲
L.v.ベートーヴェン 《七重奏曲》変ホ長調 作品20より 第1、3、5、6楽章
A.ドヴォルジャークチェコ組曲》ニ長調 作品39
F.シューベルト ピアノ五重奏曲《》イ長調 D667より 第4、5楽章]
松下 功 《音舞の調べ》(2016) ~ 時、人、を繋ぐ「間」 ~

<出演>
ベルリンフィルシャルーンアンサンブル
シノ ジュンコ(デザイナー
松下 功(作曲東京藝術大学副学長)
 元一(ヤマハ(株)研究開発統括部 第1研究開発部長


ヤマハ コンサート案内ページ
http://jp.yamaha.com/news_release/2016/16041501.html

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(執筆者: 吉田壘) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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