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 『金田一少年の事件簿』の金田一一、『名探偵コナン』の江戸川コナン――。漫画の中で、彼らは、ひょんなことから巻き込まれた難解な事件を華麗に解決していく。子どものころ、その鮮やかな推理に魅了され、「探偵になりたい」と思った人も多いのではないだろうか。

 現在、日本には数多くの探偵事務所が存在する。その一つ総合探偵社・SKY株式会社で代表取締役を務める山木陽介氏は、かつて探偵社の情報サイト『探偵ファイル』の記者として、文字通り体を張った調査・取材を敢行し、インターネット上で名を馳せた人物だ。今回、ある意味で「実在する有名な探偵の一人」と呼べる経歴を持つ山木氏に、探偵という職業の実情について話を聞いた。

・[ニコニコ静画]「金田一少年の事件簿」20周年記念作品「人喰い研究所殺人事件」 - 会員登録が必要
http://info.nicovideo.jp/seiga/kindaichi_20th/

■子供の夢が壊れる!? 実際の探偵の仕事とは

――探偵と言えば「殺人事件」ですが、実際に殺人事件の解決を依頼されたことはありますか?

 この仕事をやってきて一度だけありました。ただ、これは僕がネットとかで顔を出していて、ある程度名前が知られていたからだと思うんですけどね。

――その事件は解決されたのですか?

 まさか(笑)。その依頼主には「警察に行ってください」と言いました。子どもの夢を壊すようなことを言って本当に申し訳ないのですが、「探偵が殺人事件を解決」なんてことは、現実ではほとんどないでしょうね。

――そのほかにも、探偵には警察と協力して事件を解決していくイメージもありますが。

 そもそも、警察は法律に基づいて捜査をすることができますが、我々にできるのは「ある人が何時何分に誰々とラブホテルに入り、何時何分に出てきた」といったような事実の観察だけなんです。警察から依頼されて事件の解決に協力するなんてことは、まずありません。実際に漫画に出てくる探偵のようなことをやったら、捜査妨害になりますよ。

――ということは、現実の探偵がする仕事というのは・・・。

 そうですね、探偵社(興信所)の仕事の約7割は、浮気やお金絡みなどの「素行調査」で、2~3割が行方不明者等の捜索、その他1割未満が盗聴器発見やストーカー対策になります。漫画で言えば、『金田一少年の事件簿』というよりは、『新宿スワン』に登場する情報屋とかの方がイメージは近いですね。

――求められる能力なども違うわけですか?

 はい。小説や漫画と違って、実際の探偵は、睡魔や尿意などと戦いながら、ラブホテルの前で何時間も張り込むといった過酷な仕事です。だから、相当なレベルで集中力や忍耐力が必要となります。

 以前、松田優作に憧れてなのか『探偵物語』のようなスーツに帽子を被った人が、うちに面接を受けに来たことがあります。でも、「そんな目立つ格好で探偵ができるか!」っていう(笑)。実際は、地味で目立たないようにしないといけませんから。

――では、『金田一少年の事件簿』のような推理漫画で描かれる事件を解決することは?

 正直言って、できません(笑)。

――最後に、探偵という職業の魅力を教えてください。

 やはり普通の仕事より楽しいからでしょうね。現代で、ハンターのような感覚を味わえるというか・・・。一度そういった感覚を味わってしまうと、ほかの仕事では満足ができなくなります。辛くても探偵の仕事を続けるのは、「たとえ生活が苦しくても演じるのが好きだから」という役者の感覚と似ているのかもしれません。

◇関連サイト
・[ニコニコ静画] 「金田一少年の事件簿」20周年記念作品「人喰い研究所殺人事件」 - 会員登録が必要
http://info.nicovideo.jp/seiga/kindaichi_20th/
・[ニコニコ動画]「金田一少年の事件簿」人喰い研究所殺人事件 テレフォン part1
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17384187
・総合探偵社SKY株式会社
http://www.koushinjo.co.jp

(尾前孝之)

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