ニコニコニュース(オリジナル)

101103ozawa_kawai.jpg   沈黙解禁――小沢一郎・元民主党代表が約1カ月ぶりにメディアの前で発言したことで、大きな注目を集めたニコニコ生放送の特別番組「小沢一郎ネット会見」。2010年11月3日にライブ中継を行った東京都内のスタジオには約40人の報道関係者がつめかけ、新聞やテレビはこぞって小沢氏の発言を取り上げた。だが、その紹介の仕方は新聞とテレビで微妙に異なっていた。

   小沢氏は3日16時から17時半まで、ニコニコ生放送の番組に出演。検察審査会の「起訴議決」を背景に野党が求めている国会招致について、「三権分立の立場から言えば、司法で取り上げているものを立法府がいろいろと議論するのは、基本的にあまり妥当でないし、必要でもない」などと否定的な見解を述べた。

   この問題について小沢氏が公の場で発言するのは、検察審査会の起訴議決が公表された直後の10月7日以来。テレビ各局はニコ生放送直後の3日夕方の報道番組で、小沢氏の発言を映像とともに紹介した。新聞各紙も翌4日の朝刊で大きく扱った。その内容はどれも判で押したように、小沢氏が「国会招致」に否定的な考えを示したことに焦点を当てるものだった。

   興味深いのは、番組の放送主体である「ニコニコ動画」についての報じ方だ。在京のテレビ局の表現は「インターネットの動画配信会社の番組」(NHK)、「インターネットの生番組」(TBS)、「インターネットの動画サイトのインタビュー番組」(テレビ朝日)といったもので、いずれも「ニコニコ動画」という名前を出していない。唯一、フジテレビだけが小沢氏の映像を流すときに「ニコニコ動画生出演」と字幕スーパーを入れたが、アナウンサーはやはり「インターネット番組」と説明し、「ニコニコ動画」という名称を口にしなかった。
(追記: なお、番組翌日11月4日のフジテレビのワイドショー「とくダネ!」は「ニコニコ生放送」と紹介し、コメント投稿できるニコニコ動画の仕組みも含めて伝えた)

■ 朝日・毎日も「ニコニコ動画」の名前を出さず

   一方、新聞は媒体によって表現が異なる。東京で入手できる、いわゆる6大紙(朝日・毎日・読売・産経・日経・東京)をみると、朝日と毎日が「インターネット番組」とだけ記して固有名詞を出さなかったのに対して、読売、産経、日経、東京の各紙は「ニコニコ動画」の番組だったことを記事中で明示した。

   特に産経新聞は「小沢一郎ネット会見」の報道に積極的で、インターネットサイト「MSN産経ニュース」に「小沢氏動画サイト出演・詳報」という長文の記事を掲載。番組内での小沢氏の発言をほぼすべて紹介した。そこでは、国会招致に関する発言だけでなく、尖閣諸島問題の対応やTPP参加の是非など、重要な政治的論点に対する小沢氏の姿勢も伝えられている。

   テレビや新聞が情報ソースである媒体の名前を明らかにしないことについて、ニコ生の番組にパネリストとして出演したジャーナリストの江川紹子さんは次のように話している。

「日本のマスコミが媒体名を出さないのは『ニコニコ動画』だけでなく、週刊誌の報道を紹介するときもメディアの名前を明示しない場合がほとんどだ。たぶん『他のメディアの名前を出すことは恥だ』と思っているのだろうが、出さないことのほうが恥だと思う。報道の役割は、読者や視聴者が考えるきっかけとなる材料を与えることにある。その観点からすれば、媒体名や番組名を紹介するほうが読者・視聴者にとって親切なのではないか」

(文・亀松太郎、写真・川合亮輔)

ニコニコ生放送「小沢一郎ネット会見~みなさんの質問にすべて答えます!」

小沢氏動画サイト出演・詳報(MSN産経ニュース)

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