タイの印象のひとつにニューハーフというイメージを持つ人が多いかと思う。現地にて身体の性別を変える手術が安いということもなんとなく聞いたことがある人も少なくないでしょう。実際、男性が性器をカットして女性になるのは日本よりもずっと安く実現することができる。

 そして、タイの外科は実はカットするだけでなく、縫合もまた高い技術を持っている。というのは、タイでは「阿部定事件」のように女性が男性のイチモツをスパッと切ってしまう事件がよく起こるからだ。


■現場にイチモツさえ残っていれば、形だけは元に戻せる!

 コンドームメーカーが毎年実施する貞操観念に関するアンケートではタイは常に奔放さにおいては上位に入っている。女性も男性もみな性行為が好きなようだ。浮気や不倫は日本よりも日常茶飯事。互いに知らないところでならまだしも、それぞれの交友関係内で浮気することもあって、なおのこと泥沼化する。それが原因の殺人事件だってよく起こる。

 タイは全体的に女性が多く、男性が少ない。そのため、タイ人女性はお気に入りの男性がみつかったら自分から離れていかないように必死になる。バンコクでは出産は帝王切開という女性が多い。交通渋滞が酷くて産気づいてからでは遅いというのが実情だが、裏の理由では出産で女性器が緩くなるのを恐れるからだという話もある。夫が緩くなった自分に愛想を尽かして逃げていくことに不安を感じているのだとか。

 とにかく、タイ人女性には嫉妬深い、というか執念深い人は多い。男性が女性の浮気を知ると愛想を尽かしたり、暴力で解決することが多々ある。女性の場合、夫や彼氏の浮気が発覚すると、DNAに組み込まれたように嫉妬心が燃えあがるのか、基本的には相手女性に敵意が向く。しかし、稀に「阿部定事件」を引き起こす女性もいる。男性器を切りとっていくのだ。

 タイでは男性器を「アヒルに食べさせる」と言う。女性が「私もそろそろアヒルを飼おうかしら」と言うと、男性は「浮気がバレてる?」と青ざめる。実際にはアヒルを飼い出す人はいない。怒り狂っているとはいえタイ人女性もバカではなく、そんなにわかりやすいことはせず、ある日突然、切っていく。多くのケースでは男性にしこたま酒を飲ませ、眠っている間に切っていくという。

 2016年では4月にゲイカップルの痴情のもつれによる性器切断と、6月に夫の浮気発覚で妻がカッターで夫の性器を切ったという2つの事件があった。また、2010年はタイ版阿部定が大量発生した時期でもあった。報道によって模倣犯が増えたと思われるが、恐いのは段々と巧妙になった点だった。

 最初の事件は従来通り、男性器が切られ、慌てて自分のイチモツを持って病院に駆け込んだというものだ。あるいは恐くなった女性が自分で通報したこともあっただろう。しかし、このストーリーを報道で知った女性たちは、今度は男性器を切ったのちに姿を消すようになる。徐々に計画性も増し、荷物をまとめて出ていく女も出始め、ついには男性器を持って逃走する女が現れた。これだけ阿部定が多いタイでは勃起までの復活は困難にしても、用を足す程度までには縫合できる技術が確立している。血管と神経を繋げることで、日常生活に支障がないまでにはなんとか回復できる。しかし、そのもの自体がなければどうしようもない。男性にとっては恐ろしい話だ。

 今のところ外国人男性がタイ人阿部定にすっぱりいかれたという話は聞いたことはない。しかし、タイ人女性は誰しも心の奥に阿部定を持っていることを忘れないでほしい。タイ人女性と接するときはいつも優しく。そうすれば彼女たちもかわいらしい笑みで癒やしてくれることだろう。
(写真・文=高田胤臣)

写真=高田胤臣