公園で女児2人に「お年玉」渡した男性を「犯人」扱い…警察「声かけ事案」の背景
弁護士ドットコム

大阪府警の防犯メールサービス「大阪府警察安まちメール」で1月4日に配信された、ある「声かけ事案」がネットで話題になっている。この事案は、公園で遊んでいる女児2人組に対し、男性が「お年玉」と言って100円ずつ渡したというもの。メールには、「犯人は20〜30歳くらい、黒髪長髪、中肉、メガネ無しの男1名」という記述もあった。

メールの内容は、外部の安全情報サイトなどでも拡散。「犯人」などの表現があったため、ネットでは「何の罪に当たるのか」など疑問の声が上がっていた。

弁護士ドットコムニュースが、大阪府警の府民安全対策課に話を聞いたところ、担当者は「まだ不審者の段階で、これだけで犯罪が構成されているかと言うと難しい状態」と回答。「『犯人』という表現は、妥当ではない可能性がある」と釈明した。

一方で「犯罪につながる可能性があり、広く注意を喚起する目的がある」とメールの意義も強調している。

●表には出てこない「背景事情」と子どもたちの不安

声かけ事案では、「こんにちは」や「さようなら」など、子どもにあいさつしただけで不審者扱いされているものもあり、ネットでは「あいさつもできない世の中か」など、ネタとして消費する向きがある。

一方で、この担当者によると、実際のところは発表内容にはない「背景事情」があることがほとんどだそうだ。たとえば、声をかけられた後、「こっちにおいで」と誘われたり、体を触られたりという内容だ。

今回の場合は、そうした「事情」は確認できなかったそうだが、見ず知らずの子どもにお年玉をあげるのは不自然には違いない。大阪府警としては、誘拐や強制わいせつなど、犯罪の前段になる可能性があるため、注意喚起の意味合いでメールを配信したという。

「なぜメールを配信しているかと言えば、女児2人が不安に陥っているから。『犯人』ではなく、もっと柔らかい表現に打ち直した方が良かったかもしれないが、もし当事者の男性が見つかれば、警察として事情を聞くことになる」(担当者)

警察も無差別に情報を流しているわけではないという。声かけ事案については、広報の簡潔な文面には書かれていない、背景事情や子どもたちの恐怖、不安があることを意識した方が良いようだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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