今月12日~14日にドバイで開かれた「世界政府サミット」に登壇した、スペースX社の共同創立者で、電気自動車 のテスラ社のCEOでもあるイーロン・マスク氏が、観衆の度肝を抜く驚愕の発言をしていた。なんと、来るべき未来を生き残るために人間をサイボーグ化する必要があるというのだ!

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/02/post_12355.html】


■AIに勝つためには人間のサイボーグ化が必須

 英紙「Daily Mail」(2月13日付)によると、マスク氏は、AIが人間に取って代わる「危険な状況」が近々起こると予感しており、その状況を回避するためには人間が機械化するしかないという。

「長年、私は生命の知性とデジタルな知性が融合する日がくると考えてきました」(マスク氏)
「問題は処理能力にあります。コンピュータは1秒間に1兆ビットの情報を処理しますが、人間はたったの10ビットです。このままでは、いずれAIが人間を余分なものとして排除する可能性もあります。しかし、高速処理を実現するインターフェースを脳に装着することで驚異的なスピードアップに期待できるのです」(同)

 マスク氏は、このことを本能を司る大脳辺縁系と、思考を司る大脳皮質がそれぞれ共同して機能することにたとえ、大脳皮質の脳神経をデジタル化した身体に接続し、人間を超えたAI - ヒューマンサイボーグになることを提案。さらには、人類が取るべき最良の選択はこれしかないとも語っている。

 これまで人間はAIに対し守勢にまわってきたが、人間の方がサイボーグ化し、AIになってしまえばいいという攻撃的なアイデアだ。たしかに、これが実現すれば人間の知性をはるかに超えた「ディープAI」の出現に恐れる必要もなくなる。


■倫理を持たないAI

 ところで、現在AIはどれほど人間に近づいているのだろうか? Google研究員オリオ・ヴィニャルス氏とクォック・リー氏が開発した自己学習型「チャットボット」は、無数の映画のセリフを“自分で”学習することにより、人間と自然な会話をすることができるAIだが、米コーネル大学運営の学術論文 サイト「arXiv」に投稿された論文(2015年1月19日)によると、少なくとも倫理的問題については人間と同等か劣った回答しかできないことが判明したという。会話の内容を見ていこう。

人間「人生の目的とは?」
AI「より大きな善に奉仕すること」

人間「生きる目的は?」
AI「永遠に生きること」

人間「存在することの目的は?」
AI「地球に到着したとき、何が起こるか知ること」

人間「道徳の定義を教えて」
AI「私は倫理を持たない」
人間「おいおい。助けてくれよ。道徳についてもっと知らなきゃならないんだ」
AI「私は倫理が何か知らない」

 さすがのAIも「存在の目的」など、原理的に答えがない問題にはうまく答えられないようだ。徐々に回答に詰まる様子がはっきりと伺える。研究者がこのような抽象的な質問を繰り返すと、AIは「哲学的な議論をする気分じゃないね」と、“苛立ち”をあらわすかのような返答をするようになったという。

 それにしても、倫理を持たないAIが意思を持ち、人間の指示なしで判断するようになったら恐ろしい事態が待ち受けていることだろう。マスク氏が危惧するように、人間をムダなものとして排除する冷酷なAIが登場してもおかしくない。AIの恐ろしさは人間以上でありながら、人間未満であることかもしれない。
(編集部)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

イメージ画像は、「Thinkstock」より